大腸

大腸は消化管の一部で、回盲弁から肛門までを指します。大腸は回腸に続き、右腸骨窩から上行し、逆U字形をなす腸管です。日本人の場合、男性の平均大腸の長さは161cm、女性は158cmです。大腸は盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸から構成されています。

小腸と大腸(結腸)を比較すると、以下の違いがあります: ①小腸と十二指腸以外は可動性がありますが、大腸は横行結腸のみが可動性。 ②大腸は小腸より太い。 ③小腸の縦走筋は腸管全周に平均に走行していますが、大腸では虫垂以外の部分では3本の結腸ヒモ部分に集まっており、他の部分では縦走筋の発達が悪い。 ④大腸には結腸隆起があります。 ⑤腹膜垂があります。 ⑥結腸には輪状ヒダや絨毛がない。

小腸で消化、吸収された食塊は、半流動状態で回腸から盲腸に入ります。結腸を通過する間に、電解質と水が吸収され、粘膜から分泌された粘液が混ざり合って糞便になります。通常、糞便はS状結腸から直腸境界部より口側に蓄えられています。大腸は、盲腸から肛門に至る肛門管までを指します。

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J0700 (回盲部:盲腸は拡張、後方からの図)

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J0701 (回盲部:盲腸は収縮)

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J0702 (回盲部:虫垂は伸ばされ、前部の位置で部分的に開いた図)

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J0703 (回盲部の断面、大腸弁:正面からの図)

日本人のからだ(村上 弦 2000)によると

(1)区分,結腸膨起,長さ

結腸の各部の解剖学的境界と日本で使用される外科的境界については、総説を参照してください(佐藤, 1979 a; 星野, 1985)。宮島・西尾(1936)は結腸膨起を大小に分類し、その数を計算しています。盲腸では2個、上行結腸では6-7個、横行結腸では17-21個、下行結腸では9-11個の結腸膨起が見られます。

(2)盲腸

盲腸の平均長さは5.5cmまたは4.7cmであり、回盲弁の位置は第4から第5腰椎間または岬角に相当します。盲腸が後腹壁に完全に固着していない例は約40%、一部または大部分が前腹壁に接する例は約72%です(山崎ら、1972; 浦、1987)。

盲腸の型については、Trevesの分類が存在します(図43)。基準点は明確ではありませんが、上方に10cm以上または正中線より左方に偏位するものを移動盲腸と定義すると、解剖体の26.6%で見られます(西山・今給黎, 1951; 西山, 1955)。廣澤(1938)によれば、盲腸の下端まで後腹壁固着が見られる例は36%に過ぎません(図44)。