


J0643 (右側上顎の永久歯:接触表面; 側面からの前歯、後部からの後歯)






J0653 (新生児の顔の骨格と露出した歯の区画:右側からやや正面の図)

J0654 (新生児の左側下顎半分(図653参照)で、歯小嚢が露出している右側からの図)
大臼歯(臼歯、Dentes molares)は、歯列弓の第6、7、8番目に位置する最大の歯種であり、咀嚼機能の中心的役割を担う(Berkovitz et al., 2018)→ 口腔解剖学・組織学・発生学の標準的教科書で、歯の形態と機能について詳述。永久歯列では、上下顎の左右にそれぞれ3本ずつ(第1大臼歯、第2大臼歯、第3大臼歯)、小臼歯の遠心に配列しており、全体として12本存在します(Scheid and Weiss, 2017)→ 歯科解剖学の詳細な教科書で、歯列の配置と発達について記述。
解剖学的特徴として、第1大臼歯が最も大きく、第2大臼歯、第3大臼歯(智歯、wisdom tooth)の順に徐々に小さくなる傾向があります(Nelson and Ash, 2010)→ Wheeler's Dental Anatomyの標準的テキストで、歯の形態学的変異について詳述。乳歯列においては、上下顎の左右に2本ずつ(第1乳臼歯、第2乳臼歯、合計8本)のみ存在し、乳犬歯の後方に位置します(Fejerskov and Nyvad, 2015)→ う蝕学と歯科保存学の権威ある教科書で、乳歯と永久歯の形態的差異について解説。
第1大臼歯は永久歯の中で最初に萌出する歯であり、通常6歳頃に萌出することから「6歳臼歯」とも呼ばれ、咬合の確立と顎の成長において基準となる重要な歯です(Proffit et al., 2018)→ 歯科矯正学の標準的教科書で、咬合発達における第1大臼歯の役割を詳述。
大臼歯の歯冠部は近遠心径・頬舌径ともに広く、咬合面は四角形ないし矩形を呈し、複数の咬頭、溝、窩、裂溝により複雑な形態を示します(Ash and Nelson, 2003)→ 歯科解剖学の古典的教科書で、歯冠形態の詳細な分類を提供。この複雑な形態は、食物の粉砕と咀嚼効率の向上に適応したものです(Lucas, 2004)→ 進化生物学的観点から歯の機能形態を解析した研究。
上顎大臼歯は通常4つの主咬頭を持ちます:近心頬側咬頭(mesiobuccal cusp)、遠心頬側咬頭(distobuccal cusp)、近心舌側咬頭(mesiolingual cusp)、遠心舌側咬頭(distolingual cusp)です(Nelson and Ash, 2010)→ 咬頭の命名法と形態的特徴について詳述。特に上顎第1大臼歯の近心舌側咬頭の舌側面には、カラベリー結節(Carabelli's cusp)と呼ばれる副咬頭が認められることがあり、これは遺伝的変異の一つとして知られています(Scott and Turner, 1997)→ 歯の形態学的変異と人類学的意義について解説した専門書。
下顎大臼歯は通常5つの咬頭で構成されます:近心頬側咬頭(mesiobuccal cusp)、遠心頬側咬頭(distobuccal cusp)、近心舌側咬頭(mesiolingual cusp)、遠心舌側咬頭(distolingual cusp)、遠心咬頭(distal cusp)です(Fehrenbach and Popowics, 2016)→ 歯科解剖学の詳細なイラスト付き教科書で、咬頭形態を視覚的に解説。咬合面には、中心窩、近心三角窩、遠心三角窩などの窩が存在し、咬頭を連結する裂溝が走行しています(Scheid and Weiss, 2017)→ 裂溝パターンの臨床的重要性について記述。
大臼歯の歯根構造は他の歯種に比べて複雑であり、咀嚼時の強大な咬合力(最大800N以上)に対抗するための適応と考えられています(Gibbs et al., 1981)→ 咬合力の測定に関する古典的研究。上顎大臼歯は通常3根性を示し、近心頬側根(mesiobuccal root)、遠心頬側根(distobuccal root)、口蓋根(palatal root)から構成されます(Standring, 2020)→ Gray's Anatomyの最新版で、歯の詳細な解剖学的記述を提供。口蓋根が最も長く太く、強固な固定を提供します(Vertucci, 2005)→ 根管形態の分類と臨床的意義について詳述した論文。
下顎大臼歯は一般的に2根性であり、近心根(mesial root)と遠心根(distal root)から構成されます(Standring, 2020)。近心根は遠心根よりも広く扁平で、通常2つの根管(近心頬側根管と近心舌側根管)を含みます(Ahmed et al., 2017)→ 根管形態の変異に関する系統的レビュー。
根管構造は非常に複雑であり、臨床的に重要です。上顎第1大臼歯では通常3〜4本の根管が存在し、特に近心頬側根には約60%の症例で第2近心頬側根管(MB2)が存在することが報告されています(Wolcott et al., 2005)→ MB2根管の存在頻度と検出法に関する重要な研究。下顎大臼歯では通常3本の根管(近心頬側、近心舌側、遠心)が存在しますが、遠心根に2つの根管が存在する場合もあります(Hargreaves and Berman, 2016)→ 歯内療法学の標準的教科書で、根管治療の解剖学的基礎を詳述。
根管形態の分類として、Vertucci分類が広く用いられており、Type I(単一根管)からType VIII(複雑な根管形態)まで8つのタイプに分類されます(Vertucci, 2005)→ 根管形態分類の決定版として臨床で広く使用。
大臼歯の組織学的構造は、外側から内側に向かって、エナメル質(enamel)、象牙質(dentin)、歯髄(dental pulp)の3層から構成されます(Nanci, 2017)→ 口腔組織学の最も詳細な教科書で、歯の組織学的構造を微細レベルで解説。エナメル質は体内で最も硬い組織であり、96%が無機質(主にハイドロキシアパタイト)で構成されています(Ten Cate, 2013)→ 口腔組織学・発生学の古典的教科書で、エナメル質の構造と形成について詳述。
象牙質はエナメル質よりも軟らかく、70%の無機質、20%の有機質(主にI型コラーゲン)、10%の水分から構成されます(Goldberg et al., 2011)→ 象牙質の構造と生物学に関する包括的レビュー。象牙質には象牙細管(dentinal tubule)が走行し、歯髄から歯冠表面に向かって放射状に配列しています(Mjör and Nordahl, 1996)→ 象牙細管の形態と臨床的意義について解説。
歯髄は結合組織、血管、神経、リンパ管から構成される軟組織であり、象牙質形成、感覚機能、防御機能を担います(Hargreaves and Goodis, 2002)→ 歯髄の生理学と病理学に関する権威ある総説。