大腿輪
大腿輪は、以下のような特徴を持つ重要な解剖学的構造です:
- 大腿管の入口に位置し、血管裂孔の最内側部分を形成します。
- 大腿静脈の内側にある狭い隙間で、直径約1cmの楕円形をしています。
- 構造:
- 前壁:鼡径靱帯
- 後壁:恥骨筋膜
- 内側:裂孔靱帯
- 外側:大腿静脈
- リンパ管、リンパ節、少量の脂肪組織で覆われています。
- 腹腔側は横筋筋膜と壁側腹膜に覆われ、その一部は大腿輪中隔と呼ばれます。
- 腹壁の抵抗が弱い部位に位置しています。
- 多数のリンパ管が鼡径部から外腸骨リンパ節へ通じています。
この構造は解剖学的に重要であり、特に大腿ヘルニアの発生部位として臨床的意義が高いです。
J0444 (男性右外側の鼡径輪と卵円窩)
J0446 (男性右側の鼡径管(第3層):前方からの図)
J0489 (右側の鼡径部の筋を鼡径靱帯の直下で切断した図)