縫工筋 Musculus sartorius

J0215 (右の寛骨:筋の起こる所と着く所を示す外側からの図)

J0217 (右の寛骨:筋の起こる所と着く所を示す内側からの図)

J0249 (右の脛骨と腓骨、筋の起こる所および着く所:前方からの図)

J0436 (腹筋、正面からの図)

J0495 (右大腿の筋:腹側からの図)

J0496 (右大腿の筋:腹側からの図)

J0497 (右大腿の筋:腹側からの図)

J0500 (右殿部の筋:外側からの図)

J0501 (右側の殿部の筋:外側からの図)

J0503 (右大腿の筋:背面からの図)

J0505 (右大腿の筋:背面図)

J0507 (右膝の筋:脛側からの図)

J0510 (右下腿の筋、前面からの図)

J0598 (右大腿表層の動脈:腹面図)

J0628 (右大腿静脈、腹側からの図)

J0955 (右側の腰仙骨神経叢:図解)

J0957 (右大腿の筋神経:正面からの図)

J0958 (右大腿の神経:前面からの図)
解剖学的特徴
形態と位置
縫工筋は人体で最も長い筋肉であり、大腿前面の最表層に位置する細長い帯状の筋です(Gray, 2020)。幅約4-5cm、長さは成人で約50-60cmに達し、大腿を斜めに横断する特徴的な走行を示します(Standring, 2021)。その走行は「S」字状を呈し、大腿の前外側から後内側へと螺旋状に下降します。
筋の構造
縫工筋は単羽状筋の構造を持ち、筋線維は筋の長軸に対してやや斜めに配列しています。筋腹は比較的薄く、深層の大腿四頭筋群を覆うように走行します(Moore et al., 2018)。筋は長い腱膜として起始し、筋腹を経て、再び長い腱として停止します。
起始・停止・走行
起始
- 上前腸骨棘(anterior superior iliac spine, ASIS)とその直下の腸骨外唇
- 起始部は短い腱性組織として始まり、約5-7cm下方で筋腹に移行する
走行
- 骨盤から起始した後、大腿前面を斜めに下内側へ向かって下降
- 大腿中央部では大腿四頭筋の前面を横切り、大腿三角(femoral triangle)の外側縁を形成
- 大腿遠位1/3では大腿の内側面に位置し、膝関節の内側を弓状に横切る
- 膝関節を越えると薄筋、半腱様筋とともに扇状に広がり、鵞足を形成
停止
- 脛骨粗面の内側、脛骨内側面の上部(脛骨粗面下方約5-6cm)
- 鵞足(pes anserinus)の最も前方部分として停止
- 停止腱は下腿筋膜とも癒合し、膝の内側安定性に寄与