背側骨間筋

背側骨間筋は、手の指の動きを制御する重要な筋群の一つです。以下にその主な特徴をまとめます:

背側骨間筋は手の機能に不可欠で、指の精密な動きや強力な把握を可能にします。掌側骨間筋との区別が重要です。「手のひら(掌側骨間筋)は開かない(指の外転には働かない)」と覚えると理解しやすいでしょう。

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J0206 (右の手骨:および筋の起こる所と着く所を示すの背面からの図)

日本人のからだ(本間敏彦 2000)によると

骨間筋

掌側骨間筋は、示指、薬指、小指を中指に近づける(内転する)筋肉です。これは第2、4、5中手骨から起こり、同じ指骨および指背腱膜に終止します。このため、虫様筋と同様に、MP関節を屈曲し、IP関節を伸展する作用もあります。ただし、中指には掌側骨間筋が存在しません。母指の「掌側骨間筋」は母指内転筋に組み込まれています。支配神経は尺骨神経(C8, T1)であり、深掌側動脈弓から血液供給を受けます。

背側骨間筋は、示指、中指、薬指を中指から遠ざける(外転する)筋肉です。これは4つの筋束から成り、すべてが二つの頭部を有し、第1~第5中手骨体の対向面から起源を持ちます。これらは示指、中指、薬指の指骨と指背筋膜に結合します。また、中指はその両側に、示指と薬指は中指の反対側に終止します。尺骨神経(C8, T1)によって神経供給が行われ、深掌動脈弓から血液供給を受けます。背側および掌側骨間筋の機能は混乱しやすいため、手のひら(掌側骨間筋)が開かない(指の外転には働かない)と覚えておくと便利です。

骨間筋は各中手骨間に位置する筋肉であり、背側骨間筋と掌側骨間筋とを区別します。背側骨間筋は4つあり、第2指の橈側、第3指の橈側と尺側、第4指の尺側に位置し、指を開く働きをします。一方、掌側骨間筋は3つあり、第2指の尺側、第4指の橈側、第5指の橈側に位置し、開いた指を閉じる働きをします。

背側骨間筋は隣接する2つの中手骨から2頭で生じ、一方、掌側骨間筋は停止する指の中手骨から1頭で生じるとされています。ただし、掌側骨間筋の表面部は、その起源が中手部からさらに手根部まで広がることが指摘されています(雪下,1968)。

背側骨間筋は基節骨底に停止し、さらに手背腱膜に参加します。変異例としては、第1背側骨間筋は指背腱膜に参加せず、基節骨のみに停止し(95%)、一方で第3背側骨間筋は基節骨には停止せず、主に指背腱膜に参加するという報告があります(面高, 1964)。

掌側骨間筋の停止は指背腱膜に加わります。3つの掌側骨間筋のうち、第3掌側骨間筋のみが基節骨基部にも停止する(面高, 1964)、または3つの骨間筋がすべて基節骨にも停止する(雪下,1968)など、異なる所見が報告されています。