短母指屈筋
短母指屈筋は、手の母指球筋の一つで、以下のような特徴があります:
- 位置:短母指外転筋の内側に位置します。
- 構造:長母指屈筋の腱によって浅頭と深頭に分かれます。
- 起始:
- 浅頭:屈筋支帯から起始します。
- 深頭:橈側遠位手根骨から起始します。
- 停止:短母指外転筋の腱と融合し、橈側種子骨、母指の基節骨、指背腱膜に付着します。
- 神経支配:
- 浅頭:正中神経(C8とTh1)
- 深頭:尺骨神経(C8とTh1)
短母指屈筋は、他の母指球筋(短母指外転筋、母指対立筋、母指内転筋)と共に母指の動きを制御します。これらの筋肉は互いに密接に結合し、一つの筋肉塊を形成しているため、個別に分離することは困難です。
また、短母指屈筋の神経支配には個体差があり、正中神経と尺骨神経が手掌で交通する「母指球神経ワナ(Thenar ansa)」が70%以上の高頻度で観察されます。
J0205 (右の手骨:筋の起こる所と着く所を示す手掌側からの図)
J0482 (右手掌の筋)
J0483 (右手の手掌の筋(第2層))
J0484 (右の母指球の深筋)
J0582 (右手掌表層の動脈)