深指屈筋 Musculus flexor digitorum profundus

J0183 (右前腕骨:筋の起こる所と着く所:回外位の手掌側からの図)

J0184 (右前腕骨:筋の起こる所と着く所:回外位の手の裏側からの図)

J0205 (右の手骨:筋の起こる所と着く所を示す手掌側からの図)

J0472 (右前腕の筋:手掌側からの図)

J0473 (右前腕の筋(第2層):掌側図)

J0474 (右前腕の筋(第3層):掌側図)

J0475 (右前腕の筋(第4層):手掌側の図)

J0578 (右前腕第1層の動脈、手掌側図)
深指屈筋は、前腕の深層に位置する強力な筋肉で、手指の力強い把握動作に不可欠な役割を果たします(Gray, 2020; Standring, 2021)。この筋は前腕屈筋群の中で最も深層に位置し、特に指の末節の屈曲に特化した機能を持つ唯一の筋肉です。
解剖学的特徴
起始
- 尺骨前面の近位2/3から広範囲に起始し、特に尺骨粗面の内側縁から骨幹の前面にかけて付着します(Moore et al., 2018)
- 前腕骨間膜の内側半分から起始し、橈骨と尺骨を結ぶ線維性結合組織から筋線維が発生します
- 前腕深筋膜の深層から一部の筋線維が起始します
- 一部の筋線維は尺骨の冠状突起内側面や橈骨近位部からも起始することがあり、この変異は約30%の症例で観察されます(Mangini, 1960)
筋腹の構造と走行
- 筋腹は尺骨の前内側面を広く覆い、浅指屈筋の深層に位置して独立した滑走面を形成します
- 筋腹は比較的厚く強固で、前腕中央部で最大の横断面積を持ちます(Neumann, 2017)
- 前腕の遠位1/3において、筋腹は4本の独立した腱に分離します
- 第2指への腱は他の3本の腱よりも独立性が高く、筋腹レベルで既に分離していることが多いです(Bergman et al., 2016)
- 第3、4、5指への腱は共通の筋腹から発生し、より遠位で分離します
腱の走行と停止
- 4本の腱は手根管(屈筋支帯の深層)を通過し、浅指屈筋腱とともに滑膜鞘に包まれています
- 各腱は対応する指の近位指節骨レベルで浅指屈筋腱のChiasma tendinum(腱交叉)を通過します。この部位で浅指屈筋腱は2束に分かれ、深指屈筋腱がその間を通過します(Standring, 2021)
- 深指屈筋腱は中節骨の掌側面を滑走し、指の線維性腱鞘(屈筋腱鞘)内を走行します
- 最終的に第2〜5指の末節骨底部の掌側面に停止し、粗面を形成します