立方骨粗面 Tuberositas ossis cuboidei

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J0266 (右の立方骨:前方からの図)

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J0268 (右の立方骨:下方からの図)

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J0270 (右足の骨、側面からの図)

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J0351 (右足の関節:足底側からの図)

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J0352 (右足の関節:足底からの図)

解剖学的特徴

立方骨粗面(方形骨粗面)は、立方骨の足底面(下面)に存在する粗造な骨隆起構造です(Gray, 2020)。この粗面は、長腓骨筋腱溝(Sulcus tendinis musculi fibularis longi)の後縁に形成される高い稜状隆起の外側半分を占めており、立方骨の前外側部に位置します(Standring, 2020)。

位置関係と構造

付着構造

立方骨粗面の主要な機能は、**長足底靭帯(Ligamentum plantare longum)**の付着部位として機能することです(Moore et al., 2018)。長足底靭帯は足底靭帯の中で最も強靭かつ最長の靭帯であり、踵骨の後部から起始し、立方骨粗面を経由して第2〜5中足骨底に停止します(Standring, 2020)。この靭帯は足底の縦アーチ、特に外側縦アーチの維持に重要な役割を果たします(Neumann, 2017)。

また、この部位は**短足底靭帯(Ligamentum plantare breve)**とも関連しており、足底の深層靭帯構造の支持点となっています(Gray, 2020)。

機能的意義

臨床的意義

立方骨症候群(Cuboid syndrome):立方骨粗面を含む立方骨の微細な亜脱臼や機能不全により、足外側部の疼痛を生じる病態です(Mooney & Maffey-Ward, 1994)。スポーツ選手や過度の足部回内を有する人に多く見られ、長足底靭帯の過伸展や立方骨粗面周囲の炎症が原因となります(Patterson, 2003)。

足底腱膜炎との関連:立方骨粗面への長足底靭帯の付着部が過負荷により炎症を起こすと、足底外側部痛の原因となります(Young et al., 2001)。特に扁平足や外反母趾を伴う症例では、足底アーチの低下により立方骨粗面への負荷が増大します(Neumann, 2017)。

骨折:立方骨骨折は比較的稀ですが、高所からの転落や交通事故などの高エネルギー外傷で発生します(Hermel & Gershon-Cohen, 1953)。立方骨粗面が骨折線に含まれる場合、長足底靭帯の付着部が不安定となり、足底アーチの機能不全を引き起こす可能性があります(Weber & Locher, 2002)。