前距骨関節面 Facies articularis talaris anterior calcanei
前距骨関節面は、踵骨の前上面に位置する楕円形の関節面で、距骨下関節(subtalar joint)の重要な構成要素の一つです(Sarrafian, 1993)。

J0253 (右の踵骨、上方からの図)

J0254 (右の踵骨:内側からの図)

J0255 (右の踵骨:外側から少し上方からの図)

J0349 (右足の関節:足の背面からの図)
解剖学的特徴
位置と形態:
- 踵骨の前部、載距突起(sustentaculum tali)の前方に位置します(Standring, 2020)
- 楕円形または卵円形の凸面を呈し、距骨頭の後下面と接触します(Sarrafian, 1993)
- 中距骨関節面(middle talar articular surface)と連続していることが多く、両者を合わせて前中距骨関節面として扱われることもあります(Barbaix et al., 2000)
- 距骨下関節の前方部分を形成し、機能的に重要な役割を果たします(Mann & Coughlin, 1999)
周囲構造との関係:
- 外側:踵骨洞(sinus tarsi)に面しています(Sarrafian, 1993)
- 内側:載距突起に隣接し、中距骨関節面と連続または近接しています(Standring, 2020)
- 前方:立方骨関節面(cuboid articular surface)に続きます
- 後方:踵骨溝(sulcus calcanei)により後距骨関節面と隔てられています(Sarrafian, 1993)
機能と生体力学
距骨下関節の役割:
- 回内(pronation)・回外(supination)運動の主要な軸として機能します(Mann & Coughlin, 1999)
- 歩行時の足部の適応性を高め、不整地面への対応を可能にします(Close et al., 1967)
- 体重の伝達と分散において重要な役割を担います(Sarrafian, 1993)
- 距骨の安定性を維持し、足関節複合体の協調運動に貢献します(Hintermann et al., 2004)