膝蓋面(大腿骨の)Facies patellaris femoris

J0228 (右の大腿骨:前方からの図)

J0229 (右の大腿骨:後方からの図)

J0231 (右大腿骨、遠位端部:前方からの図)

J0232 (右大腿骨、遠位端:下方からの図)

J0383 (右膝:伸ばして、外内側方向からのX線像)

J0384 (右膝:曲がり、外内側方向からのX線像)
解剖学的特徴
膝蓋面は大腿骨遠位端前面に位置する滑らかな関節面で、膝蓋骨後面の関節面と適合します (Gray, 2020)。この面は内側顆と外側顆の前面が融合して形成され、膝蓋骨の滑動を可能にする重要な構造です (Standring, 2020)。
- 位置:大腿骨遠位端の前面、両顆の前面が融合した領域
- 形状:浅い凹面を呈し、中央に縦走する溝(滑車溝)を持つ
- 外側面:内側面よりも広く、より前方に突出している
- 内側面:外側面より狭く、より垂直に配置される
- 関節軟骨:厚い硝子軟骨で覆われており、膝関節内で最も厚い軟骨層を形成 (Standring, 2020)
- 境界:上方は大腿骨体に連続し、下方は顆間窩に移行する
機能的側面
膝蓋面は膝蓋骨との間で膝蓋大腿関節を形成し、膝の屈伸運動において重要な役割を果たします (Powers et al., 2017)。
- 滑車機能:膝蓋骨が屈伸時に滑らかに滑動するためのガイドレールとして機能
- 力学的効率:膝蓋骨と共に大腿四頭筋の力学的効率を高め、テコの作用距離を延長 (Heegaard et al., 1995)
- 荷重分散:膝蓋骨を介して大腿四頭筋の張力を分散し、関節面への応力を軽減
- 関節安定性:膝蓋骨の外側脱臼を防ぐための形態学的制約を提供 (Skelley et al., 2015)
臨床的意義
膝蓋面は多くの膝関節疾患に関与する重要な解剖学的構造です (Dixit et al., 2007)。
- 膝蓋大腿疼痛症候群:膝蓋面と膝蓋骨の不適合や過度の圧力により前膝部痛が生じる最も一般的な膝痛の原因の一つ (Crossley et al., 2016)
- 膝蓋軟骨軟化症:膝蓋面の軟骨が軟化・変性し、疼痛や軋轢音を引き起こす病態 (Fulkerson, 2002)