上腕骨小頭 Capitulum humeri

J0169 (右上腕骨:前方からの図)

J0174 (右上腕骨、下端:下方からの図)

J0367 (右肘関節:伸展、手の回内、手根背側方向からのX線像)

J0369 (右の肘関節:手の回内時に伸ばされた橈尺方向からのX線像)

J0371 (右肘関節、直角に曲がって、手の回外時、橈尺方向からのX線像)
解剖学的特徴
位置と形態
- 上腕骨遠位端の外側部に位置する半球状の関節面です(Standring, 2020)。
- 直径約2cmの滑らかな軟骨で覆われた凸面を形成し、橈骨頭窩(fovea capitis radii)と関節を構成します(Gray, 1918)。
- 内側に隣接する上腕骨滑車(trochlea humeri)とともに、肘関節の腕尺関節と腕橈関節を形成します(Morrey & Sanchez-Sotelo, 2009)。
- 前面では肘窩(fossa radialis)の底部を形成し、肘関節屈曲時に橈骨頭を収容します(Drake et al., 2019)。
- 後面からの突出は滑車に比べて少なく、ほぼ上腕骨の前面に限局しています(Moore et al., 2017)。
関節構造
- 橈骨頭上面の凹面(fovea articularis)と適合し、腕橈関節(humeroradial joint)を形成します(Neumann, 2016)。
- この関節は球関節様の構造を持ち、前腕の回内・回外運動を可能にします(Standring, 2020)。
- 関節包は小頭の周囲に付着し、橈骨輪状靭帯とともに関節の安定性に寄与します(Drake et al., 2019)。
臨床的意義
外傷
- 上腕骨小頭骨折(Capitellum fracture):転倒時に手を伸ばして着地した際の軸圧により発生します。特に若年女性に多く見られます(McKee et al., 1996)。
- 分類:Hahn-Steinthal型(大きな骨片)、Kocher-Lorenz型(軟骨下骨折)、McKee型(粉砕骨折)に分類されます(Dubberley et al., 2006)。
- 診断にはCTやMRIが有用で、単純X線では見逃されることがあります(Ruchelsman et al., 2008)。
変性疾患
- 離断性骨軟骨炎(Osteochondritis dissecans, OCD):小頭の外側部に好発し、野球選手などの投球動作を行うアスリートに多く見られます(Takahara et al., 2007)。