海綿骨 Substantia spongiosa

海綿骨(substantia spongiosa)は、骨の内部を構成する多孔質の骨組織です。緻密骨(皮質骨)と対照的な構造を持ち、解剖学的・臨床的に重要な意義を持っています(Keaveny et al., 2001)。

解剖学的特徴

海綿骨は主に扁平骨(頭蓋骨、肩甲骨、骨盤など)の内部や長管骨(大腿骨、上腕骨など)の骨幹端部・骨端部に存在します(Standring, 2015)。この構造により、骨は強度を保ちながらも軽量化されています。平均的な人間の骨格の重量はわずか7kgであり、これは海綿質の構造による優れた力学的設計の結果です(Currey, 2002)。

臨床的意義

海綿質の構造や特徴をより詳しく理解するには、以下の図が参考になります:

これらの図では、海綿骨の三次元構造や緻密骨との関係性、大腿骨頭・頸部における骨梁の配列パターンなどを観察することができます。特に荷重伝達に関与する一次骨梁(圧迫骨梁)と二次骨梁(引張骨梁)の配列は生体力学的に重要な意味を持っています(Singh et al., 1970)。

参考文献