
J0787 (男性の骨盤臓器の正中矢状断:左側からの右半分の図)

J0788 (陰茎、球海綿体筋および筋膜と皮膚の一部を除去:下方からの図)





J0803 (男性の右側肛門挙筋と尿生殖三角:後上方からの図)





尿生殖三角は、会陰の前方部に位置する三角形の領域であり、左右の坐骨結節を結ぶ線と恥骨結合下縁によって境界される (Moore et al., 2018)。この領域には泌尿生殖器系の重要な構造が含まれており、男女で構成が顕著に異なる (Standring, 2020)。
尿生殖三角の皮膚は薄く、高い弾力性を有し、豊富な神経支配を受ける (Drake et al., 2019)。知覚神経支配は主に陰部神経 (pudendal nerve, S2-S4) の枝である会陰神経によって行われ、会陰部の触覚、痛覚、温度覚を司る (Standring, 2020)。自律神経系による血管運動制御も重要で、骨盤内臓神経 (副交感神経、S2-S4) と下腹神経叢 (交感神経) が協調して血流調節を行い、性的興奮時の勃起組織の充血などの生理的変化を制御する (Netter, 2022) → この神経支配の理解は陰部神経ブロックなどの臨床手技において不可欠である。
尿生殖三角の浅筋膜は二層構造を成し、それぞれが臨床的に重要な特徴を持つ (Moore et al., 2018):
浅会陰隙 (superficial perineal pouch/space) は、下方を会陰の浅筋膜深層(コールス筋膜)、上方を尿生殖隔膜の下面(会陰深筋膜)によって境界される潜在的間隙である (Netter, 2022)。この間隙は後方では会陰体への筋膜付着により、外側方では恥骨弓への付着により閉鎖されているが、前方では開放しており、前腹壁のスキャルパ筋膜と前腹壁筋の間隙に連続する (Moore et al., 2018) → この解剖学的交通により、会陰部の尿道損傷に伴う尿外漏や感染性疾患(フルニエ壊疽など)が前腹壁へ容易に波及する経路が形成される。
浅会陰隙内には以下の構造が含まれる (Standring, 2020):
これらの構造はいずれも内陰部動脈の枝からの血液供給と陰部神経からの神経支配を受ける (Gilroy et al., 2020)。
深会陰隙 (deep perineal pouch/space) は、上方を骨盤隔膜の下面(特に肛門挙筋)、下方を尿生殖隔膜の上面(会陰深筋膜の上層)によって境界される (Moore et al., 2018)。この間隙には外尿道括約筋、深会陰横筋、および男性では前立腺の尖部、女性では尿道と膣が通過する (Netter, 2022) → 深会陰横筋と外尿道括約筋は尿失禁の予防に重要であり、分娩時や骨盤手術時のこれらの構造の損傷は尿失禁の原因となる。
尿生殖三角の内容は男女で顕著に異なる (Gilroy et al., 2020):