A01_0189（尿生殖部；尿生殖三角；尿生殖器部）

尿生殖三角は、左右の坐骨結節を結ぶ線の前方部で、泌尿器官を囲む周辺部の領域です。この領域の浅筋膜のうち、キャンパー筋膜と呼ばれる脂肪層は、坐骨直腸窩内の脂肪層に接続し、同時に大腿皮下の浅筋膜にも移行します。陰嚢では、脂肪層は平滑筋層（肉様膜）で置き換えられています。肉様膜は、寒冷刺激に応じて収縮し、陰嚢皮膚の表面積を減少させます。尿生殖三角線筋膜のうち、コールス筋膜と呼ばれる線維層は、後方では尿生殖隔膜後縁に付着し、外側方では恥骨弓の辺縁に付着します。また、前方では前腹壁浅筋膜の線維層（スキャルパ筋膜）に移行します。このような尿生殖三角浅筋膜の線維層は、陰茎あるいは陰核の部位では管状の鞘構造をとり、また陰嚢あるいは大陰唇の部位では著明な１層をなします。浅会陰隙とは、下方を会陰線筋膜の線維層で境界をなし、上方を尿生殖隔膜で境界をなすような隙間のことです。この隙間は、後方では隙間の上壁と下壁が互いに癒着する形で閉じられ、外側方でも隙間の上壁と下壁が恥骨弓辺縁部に付着する形で閉じられています。しかし、浅会陰隙は、その前方部で前腹壁浅筋膜と前腹壁筋の間の隙間と自由に交通することができます。

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