https://funatoya.com/funatoka/Rauber-Kopsch.html
目次(III. 脈管系)
全体構造と配置
- 静脈は大循環と小循環に分類され、上下大静脈と大心静脈という3つの主幹が右心房に開口する
- 静脈は動脈より数が多く、容量は約2倍であり、伴行静脈や皮静脈として広範な静脈網を形成する
静脈弁の特徴
- 静脈弁は血液の逆流を防ぐ内膜のひだであり、通常2枚の帆状弁が向かい合って配置している
- 四肢の静脈に最も多く存在し、重力や筋肉圧に対抗して血流を効率的に促進する
微細構造
- 内膜は内皮細胞層と結合組織層で構成され、一部の静脈では平滑筋を含む
- 中膜は下肢の静脈で最も発達しており、平滑筋線維束と結合組織から構成される
- 外膜は結合組織束、弾性線維、縦走筋束で構成され、動脈よりも発達している
特徴的性質
- 静脈は動脈と比較して変異が顕著であり、大きさ、起始、走行に個体差が一般的に見られる
[図610] 静脈弁:内部からの視点(×1)
大伏在静脈の一部。複数の側枝が開口する箇所を切開して展開。
[図611] 静脈弁:外側からの視点(×1)
橈側皮静脈の一部を膨らませて乾燥させたもの。弁の配置とその周囲の膨大部(静脈弁洞 Sinus valvulae)が明瞭に観察できる。
α) 全体の配置
β) 静脈弁
γ) 静脈の変異
ε) 静脈の微細構造