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(RK653(前腕(右)屈側の動脈(II)) 、RK654(前腕(右)屈側の動脈(III) ) )
この動脈は短い幹を持ち、すぐに掌側枝と背側枝に分かれる。ただし、これらの枝が独立して上腕動脈から出ることもある。掌側枝はより細く、内側近位方向に進み、上腕筋と円回内筋の間を通って遠位尺側副動脈とつながる。背側枝は掌側枝よりも太く、浅指屈筋の下を通って尺側上顆の後面に達する。そこから尺側手根屈筋の両頭の間を尺骨神経の走行に沿って近位に向かい、筋や神経、関節に枝を与える。最終的に、近くの動脈枝(特に近位尺側副動脈)とともに肘関節動脈網 Rete articulare cubitiを形成する。
尺骨動脈は付近の前腕の屈筋群と伸筋群に筋枝を与えるほか、次の枝を出す:
**変異:**R. Quainの観察によると、尺骨動脈の起始は13例中約1例の割合で変異を示した。この場合、尺骨動脈が腋窩動脈から出るよりも上腕動脈から出ることが多く、変異の頻度は正常な出現位置からその起始が遠ざかるほど減少した。前腕における尺骨動脈の位置は橈骨動脈よりも変化が多い。尺骨動脈が正常の場所で始まる場合、その位置にあまり変化はないが、正常では尺側手根屈筋の腱に接しているものの、この筋から離れて走行することがしばしばある。
尺骨動脈が高位で始まる場合、ほとんど例外なく上腕骨の尺側上顆に始まる諸筋の上を越える。多くの場合、この動脈は上腕の筋膜に覆われてその下にあるが、より浅く皮下を通ることがあり、全経過を通じて皮下の表層を走り続けることもある。あるいは後に筋膜の下に入り込み、さらに遠位で正常な位置に戻ることもある。
E. Zuckerkandl(1896)によると、多くの例(79%)で尺骨動脈に2本の深掌枝があり、そのうち遠位のものが通常はより太い。近位の枝が欠如することは決してない(100例の調査で)。しかし、遠位の枝は21%で欠如している。近位の枝は豆状骨の近くで始まるが、遠位の枝は浅掌枝が曲がって浅掌動脈弓になるところから出ている(RK658(手掌(右)の動脈(III)))。
[図654] 前腕(右)屈側の動脈(III) (3/5)
[図655] 前腕(右)伸側の動脈(3/5)
[図656] 手掌(右)の動脈(I)(浅層)(5/6)*橈側示指掌側動脈 A. volaris indicis radialis が浅掌動脈弓から分岐している(変異)。
[図657]手掌(右)の動脈(II)浅掌動脈弓 Arcus volaris superficialis(5/6)
2. 総骨間動脈 Arteria interossea communis
3. 肘関節動脈網 Rete articulare cubiti