RK659(手背(右)の動脈(I)) RK660(手背(右)の動脈(II))

背側手根動脈網は浅層と深層の二部分からなる。浅層部は背側手根靱帯の上、皮下に位置する(RK659(手背(右)の動脈(I)))。深層部は本来の背側手根動脈網Rete carpi dorsaleで、手根骨の深部靱帯装置に密接し、諸伸筋の腱の下に広がる(RK660(手背(右)の動脈(II)) )。

この網の形成には、主に橈骨動脈と尺骨動脈から出る背側手根枝Rr. carpici dorsalesが関与する。さらに、掌背両骨間動脈の終枝もこの網に加わる。

深層の動脈網が十分に発達している場合、そこから5本の背側中手動脈Aa. metacarpicae dorsalesが生じる。これらは第2~第5中手骨間で骨間筋の上を遠位に進み、掌側中手動脈Aa. metacarpicae volaresの穿通枝Rami perforantesと連結する。その後、背側指動脈Aa. digitales dorsalesに分かれ、隣接する指背の両側縁部に分布する(RK659(手背(右)の動脈(I))RK660(手背(右)の動脈(II)) )。背側指動脈は基節の背部と中節の近位半のみを栄養する。

多くの場合、各指の基部において背側指動脈の起始部間にさらに第3の枝が存在し、これが総掌側指動脈の分岐点に連続している。