0276 (5ヶ月胎児の右下肢の骨格:正面からの図)

J0276 (5ヶ月胎児の右下肢の骨格:正面からの図)
拡大率は1:1. (骨の物質は赤く着色され、骨格のピースは透明になっています。)
この図のポイント(J0276:5ヶ月胎児の右下肢の骨格・前面)
- 表示法
- 赤く塗られている部分=骨化が進行している「骨質(一次骨化中心)」
- 透明の部分=まだ軟骨段階の骨ピース(未骨化)
- 向きと対象
- 右下肢を前面(正面)から見た図。上から骨盤帯の一部、⼤腿骨、脛骨・腓骨、足部へと連なる配置です
- 発生学的な見どころ
- 長管骨(大腿骨・脛骨・腓骨・中足骨・趾骨)は、幹部(骨幹)に一次骨化中心が早期に形成されるため赤く示されています。
- 膝蓋骨はまだ軟骨性で透けて見える段階。
- 足根骨は出生後もしばらく軟骨が多い骨群で、5ヶ月胎児ではほとんどが未骨化。踵骨ではこの頃から一次骨化中心が出現し始めます。距骨はさらに遅れて出現します。舟状骨は乳幼児期(生後)に骨化します。
- 骨端(関節面側の端部)はこの時期まだ軟骨性で、骨端核は出生前後〜幼少期にかけて出現します。
- 比例・形態の特徴
- 大腿骨は相対的に細長く、骨幹の骨化が目立つ一方、骨端は丸く軟骨性。
- 脛骨は太く、腓骨は細いという成体と同様の関係がすでに見られます。
- 足部では中足骨・趾骨の骨幹部が細い赤い棒状に見え、足根部(距骨・踵骨など)は主に透明=軟骨として表現されています。
- 画像の読み方のコツ
- 「赤=骨化中心」「透明=軟骨」を手掛かりに、骨化の時間差(長管骨→足根骨→骨端核)を追う図として見ると理解しやすいです。
- 新生児・乳児のX線で足根骨がはっきり写らない理由(未骨化のため)も、この図から直感的に説明できます。
図中のアノテーション
- 00:下肢全体(Membrum inferius)
- 00a:骨格系(Ossa; Systema skeletale)としての位置づけ
アノテーション
00
A01_0082(下肢)Lower limb →Membrum inferius; Extremitas inferior【下肢】Lower limb (A01_1_00_031)
00a