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片山正輝

目次(V. 神経系)

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図512(眼窩の神経:上方から剖出した図)

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図513(眼窩の神経:外側から見た図)

動眼神経は中脳の動眼神経核から起こり、10~15本の根を形成して動眼神経溝から中脳を離れる。その後、上小脳動脈と後大脳動脈の間を外側前方に走行し、鞍背突起の外側縁に到達する。そこから硬膜の動眼神経孔Porus oculomotoriiに入り、海綿静脈洞の上壁内を進んで上眼窩裂に達し、眼窩に入る。

この神経は約13,763本(Bors 1925)の主に太い有髄神経線維から成り、これらの神経線維は多数の2次線維束にまとまっている。動眼神経の幹内部には、神経線維の間に散在する神経細胞が見られ、球形のものと分枝したものがある。動眼神経は頭蓋腔内ですでに軟膜の動脈に細い枝を与える。海綿静脈洞の上壁を通過する際には、内頚動脈周囲の内頚動脈神経叢Plexus caroticus internusから細い枝を受け取る。さらに、上眼窩裂内では近接する眼神経から知覚性の細い枝を受ける。動眼神経は上眼窩裂内でその内側の隅に位置し、外側に滑車神経を伴い、外側直筋の両起始頭の間を通過する。眼窩に入るとすぐに上下各1本の2枝に分岐する。

上枝Ramus superiorは上直筋と上眼瞼挙筋に分布する。下枝Ramus inferiorは内側直筋、下直筋、および下斜筋に向かう3枝に分かれる。下枝からはさらに1本の短く細い神経が出て毛様体神経節に至る。これが毛様体神経節短根Radix brevis ganglii ciliarisである。

毛様体神経節 Ganglion ciliare