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目次(IV. 内臓学)

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図082(頭部顔面の矢状断(上方3個の頚椎を含む))

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図088(咽頭と食道の背面からの剖出図)

咽頭は消化管と呼吸道の両方に属する部分で、口腔・鼻腔と食道・喉頭の間に位置している。咽頭の内部にある空間を咽頭腔Cavum pharyngis, Schlundhöhleという。これはほぼまっすぐな管状で、前方にわずかに凸を描き、前後方向に扁平な形をしている。上方は頭蓋底から、下方は喉頭の下縁(第6頚椎の下縁の高さ)まで達し、ここで食道に続いている。

咽頭の後壁は疎性結合組織(咽頭後結合組織retropharyngeales Bindegewebe)によって深頚筋膜と結合している。舌骨より下方では、他の頚部内臓同様、中頚筋膜に覆われ、最も後方に位置する。上方では咽頭壁が頭蓋底と結合し、前方は上から順に、後鼻孔の側縁、口腔および口峡の後壁、そして喉頭と結合している。咽頭の長さは約12cmで、最も幅広い部分は舌骨の大角の高さにある。そこから上方へは幅がゆるやかに減少し、下方へは急激に狭くなる。最も狭い部分は輪状軟骨の高さに相当する。

後鼻孔に向かう部分を咽頭円蓋Fornix pharyngis, Schlundgewölbeという。口蓋帆は後下方に咽頭腔内へ突出しており、嚥下時には咽頭後壁に接着して、咽頭上部の鼻部Pars nasalisを下部から分離する。下部はさらに口部Pars oralisと喉頭部Pars laryngicaの2部に分かれる。

咽頭壁は複数の層から構成されている。内側から外側へ、粘膜、結合組織性の基礎層fibröse Grundlage、筋層、結合組織性の外膜と区別される。

1. 咽頭の結合組織性の基礎 fibröse Grundlage des Schlzandes

2. 咽頭の筋層Tunica muscularis pharyngis

3. 咽頭の外膜 Tunica externa

4. 咽頭の粘膜 Tunica mucosa pharyngis

5. 咽頭腔 Cavum pharyngis, Schlundhöhle