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目次(IV. 内臓学)

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RK271(頭蓋底外面の中央部)

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図085(咽頭の諸筋)

咽頭の結合組織性の基礎層は、粘膜下組織および筋層と密に結合した薄くて丈夫な膜であり、頭蓋底に固着している(RK271(頭蓋底外面の中央部))。その起始線は後頭骨の咽頭結節から始まり、両側で脊柱前面を覆う深頚筋群の付着部前方の線に沿って後頭骨底部を通過し、錐体後頭軟骨結合に至る。そこから頚動脈管外口に達し、その前方で蝶形骨錐体軟骨結合へと向かう。

この起始線は前内側に湾曲し、軟骨結合に沿って耳管に接しながら翼状突起内側板基部に至る。これにより耳管軟骨は咽頭壁内に組み込まれる。後鼻孔上外側隅から、起始線は翼状突起内側板に沿って下行し、頬咽頭縫線を経て下顎骨の顎舌骨筋線に到達する(v. Hayek, Verh. anat. Ges., 1928参照)。

この線維膜は頭蓋底付近で最も発達しており、一部の領域では筋層に覆われずに露出している。この露出部分を特に咽頭頭底板と呼ぶ(図085(咽頭の諸筋))。

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[図85]咽頭の諸筋:後方から見た外部解剖図(5/7)