https://funatoya.com/funatoka/Rauber-Kopsch.html
(RK273(頭蓋(45歳男性)前面観) 、RK274(頭蓋45歳男性、側面図) )
骨性顔面は額より下方の部分で、左右の眼窩(Orbitae, Augenhöhlen)の開口がある。眼窩の前方開口部を眼窩口(Aditus orbitae)といい、その縁は前頭骨・頬骨・上顎骨で囲まれている。眼窩口縁(Margo aditus)は前頭部(Pars frontalis)、頬骨部(Pars zygomatica)、上顎部(Pars maxillaris)の3部分からなる。両眼窩間には前下方へ傾斜した鼻背があり、左右の鼻骨と上顎骨の前頭突起で構成される。その下方正中部には、骨鼻腔が頭蓋前面に開く梨状口(Apertura piriformis)があり、逆さハートまたは西洋ナシ型をしている。梨状口の薄い鋭縁は鼻軟骨の付着部で、下方では前鼻棘(Spina nasalis anterior)を形成する。梨状口下には上顎骨の鼻前窩(Fossae praenasales)、眼窩口下には犬歯窩(Fossa canina)があり、その外側には頬骨前下部と上顎骨頬骨突起による頬の突出がある。顔面骨格は下顎骨と舌骨の参加により完成する。ヒト特有の特徴として、突出したオトガイ隆起(Protuberantia mentalis)がある。顔面部の詳細は既述だが、眼窩と鼻腔は特別な観察が必要である。