前庭(内耳の) Vestibulum labyrinthi

内耳の前庭は、側頭骨岩様部に位置する骨迷路の中央部分を構成する重要な解剖学的構造です (Gray and Williams, 2020)。大きさは約5×3×3mmの卵円形の腔で、前方は蝸牛と、後方は半規管と連絡しています (Standring et al., 2015)。解剖学的に以下の特徴があります:

臨床的意義

前庭は前庭迷路系の主要部分として、身体の平衡維持と空間定位に不可欠です (Curthoys and Halmagyi, 2018)。メニエール病、良性発作性頭位めまい症(BPPV)、前庭神経炎などの疾患では、この領域の障害により回転性めまい、平衡障害、吐き気などの症状が現れます (Strupp and Brandt, 2022)。特にBPPVでは、耳石器官から遊離した耳石が半規管に迷入することで特徴的な体位性めまいを引き起こします (Bhattacharyya et al., 2017)。また、内耳の手術(例:人工内耳埋込術)においては、蝸牛窓や正円窓を通じてアプローチする際に前庭の解剖学的位置関係が重要な指標となります (Roland and Waltzman, 2019)。

参考文献

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J1048 (右耳の骨迷路の排出口:外側前方からの図)

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J1049 (右耳の骨迷路の排出口:下方からの図)

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J1051 (前庭と半規管は、浸軟化された骨から外側に開く)

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J1052 (浸軟化した骨にある右の蝸牛、外側から開放)

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J1056 (右側の側頭骨を垂直に切断し、外側の切断面を内側からの図)

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J1061 (右の骨迷路と膜迷路の模式図)