上丘 Colliculus superior
基本構造
- 中脳蓋の四丘体前部に位置する隆起構造であり、帯層、灰白層、視神経層、毛帯層の4層構造を持つ。
- 大脳皮質様の層構造を持ち、灰白質と白質が交互に配列している。
機能と情報処理
- 浅層では、視覚情報処理と物体の動きの検出を担っている。
- 深層では、多感覚入力の統合を行い、定位反射の中枢として機能している。
神経連絡
- 網膜からの直接入力と多感覚情報を受け取り、情報処理を行う。
- 上丘脊髄路を介して、眼球運動および頭部運動の制御を行う。
臨床的重要性
- 上丘の障害により、反射性眼球運動障害や視覚的注意の低下が生じる。また、周辺部の病変との症状が混在することがある。
脳の断面(模式図を含む)

aに対応する上丘を通る断面の模式図

J0835 (脳幹:右方からの図)

J0842 (四丘体および周辺:後上方からの図)