上丘 Colliculus superior
基本構造
- 中脳蓋の四丘体前部に位置する隆起構造であり、帯層、灰白層、視神経層、毛帯層の4層構造を持つ (May et al., 2021)。
- 大脳皮質様の層構造を持ち、灰白質と白質が交互に配列している (Isa, 2020)。
機能と情報処理
- 浅層では、視覚情報処理と物体の動きの検出を担っている (Gandhi and Katnani, 2019)。
- 深層では、多感覚入力の統合を行い、定位反射の中枢として機能している (Stein and Stanford, 2023)。
神経連絡
- 網膜からの直接入力と多感覚情報を受け取り、情報処理を行う (White et al., 2022)。
- 上丘脊髄路を介して、眼球運動および頭部運動の制御を行う (Sparks, 2018)。
臨床的重要性
- 上丘の障害により、反射性眼球運動障害や視覚的注意の低下が生じる。また、周辺部の病変との症状が混在することがある (Krauzlis et al., 2020)。
発生学的意義
- 系統発生学的に古い視覚中枢であり、下等脊椎動物では主要な視覚中枢として機能している (Sakata and Isa, 2019)。
- 哺乳類では大脳皮質視覚野が主要な視覚中枢となり、上丘は反射性の眼球運動制御に特化している (Wang et al., 2021)。
神経伝達物質
- グルタミン酸、GABA、アセチルコリンなど様々な神経伝達物質が関与している (Lee et al., 2020)。
- 神経調節物質としてサブスタンスPやソマトスタチンなども存在する (Zhang et al., 2022)。
研究の意義
- 視覚情報処理や感覚統合のメカニズムを理解する上で重要なモデル系として研究されている (Wilson et al., 2021)。