膝窩静脈 Vena poplitea

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J0629 (右大腿の深部静脈:背面図)

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J0632 (右下腿の表面静脈、背面からの図)

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J0966 (右下腿の筋神経:後方からの図)

1. 解剖学的特徴

膝窩静脈は、膝関節の後面を上昇する主要な深部静脈です。解剖学的位置として、膝窩筋の下縁の高さで、膝窩動脈よりも内側に位置し、前脛骨動脈と後脛骨動脈にそれぞれ伴行する前および後脛骨静脈の合流に始まります(Gray, 2020)。膝窩窩(膝窩)内では、膝窩筋の深層、半膜様筋と外側ハムストリングの間に位置しています。

2. 走行と変異

膝窩を上昇するにつれ、膝窩静脈は膝窩動脈の後方を横断し、膝窩動脈の外側に並びます。その後、やや上内方に向かって進み、小伏在静脈の流入を受けた後、内転筋腱管裂孔(ハンター管)を通って大腿静脈に移行します(Standring, 2021)。解剖学的変異として、膝窩静脈が二重になるケースが約20%の頻度で見られます(Quinlan et al., 2012)。

3. 支流と構造

支流としては、膝静脈(上、中、下)、小伏在静脈、腓骨静脈などが合流します。これらの静脈は、主に下肢の深部および表在組織からの血液を集めて中枢へ返す重要な役割を担っています。静脈壁は三層構造(内膜、中膜、外膜)を持ち、内腔には逆流防止のための弁が存在します(Moore et al., 2022)。

4. 臨床的意義

臨床的意義としては、膝窩静脈は深部静脈血栓症(DVT)の好発部位であり、膝窩静脈瘤や膝窩静脈捕捉症候群(膝窩動静脈捕捉症候群)の発生部位としても重要です(Yamaki et al., 2017)。膝窩静脈血栓症が生じると、下肢の腫脹、疼痛、発赤などの症状を呈し、重篤な場合は肺塞栓症を引き起こす可能性があります。診断には超音波検査、CT静脈造影、MR静脈造影などが用いられます(Zierler, 2016)。

参考文献

東洋医学との関連性