横静脈洞

横静脈洞は、以下の特徴を持つ硬膜静脈洞の一つです:

横静脈洞は脳の静脈血を集める重要な経路の一つであり、最終的に内頚静脈を通じて頭蓋外に血液を排出する役割を果たします。

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J0606 (硬膜静脈洞:頭蓋底からの図)

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J0607 (右半分の頭蓋の硬膜静脈洞、左側からの図)

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J0902 (硬脳膜:上方からの図)

日本人のからだ(後藤 昇・国府田 稔 2000)によると

脳幹小脳静脈系(図57)

これは脳幹(中脳、橋、延髄)と小脳からの静脈血を集める静脈系の総称です(後藤,1986 a,1987)。

中脳の静脈系は、脳表面に集まり、主に迂回槽を走る脳底静脈に流れます。後有孔質から脚間窩へ出るものは、次に述べる橋静脈に合流します。

橋の内部から表面に集まる橋静脈は、互いに網状の吻合を形成し、三叉神経根の外側に集まり、錐体静脈(Dandyの静脈)となり、上錐体静脈洞に流れ込みます。

延髄の内部からの静脈は、前正中裂、前外側溝、後外側溝、オリーブ後溝等に集まり、脳表に現れます。延髄表面では網状の吻合を形成し、これを「延髄静脈」と呼びます。上方では橋静脈と、下方では脊髄表面の静脈とそれぞれ吻合します。