前脛骨動脈
前脛骨動脈は、下肢の主要な動脈の一つで、以下のような特徴があります:
- 膝窩動脈が二分して生じる枝の一つです。
- 膝窩筋の下縁の高さで分岐します。
- 下腿骨間膜の上部を通過し、骨間膜の前面に出て下行します。
- 下腿の前外側にある筋とその周辺に枝を送ります。
- 上部と下部で膝関節と足関節周囲の動脈網に小枝を送り、吻合します。
- 足関節のすぐ上方で表層に現れ、足関節の前側で前脛骨筋の腱の外側に沿って走行します。
- 足背で足背動脈に移行します。
前脛骨動脈の変異や特徴的な分布について、以下のような報告があります:
- 前脛骨動脈が下腿筋枝として終わり、足まで到達しない例が報告されています(0.9%〜6.6%)。
- 前脛骨動脈が欠如または細小化した場合、腓骨動脈貫通枝が足背動脈に連続することがあります。
- 前脛骨動脈から前脛骨反回動脈が分岐し、長指伸筋に分布することがあります。
前脛骨動脈は、下腿や足への血液供給において重要な役割を担っています。
J0601 (右下腿の動脈:背側からの図)
J0602 (右下肢の動脈:前方からの図)
J0603 (右足背の動脈)