S状結腸間膜 Mesocolon sigmoideum

定義と解剖学的特徴

S状結腸間膜は、S状結腸を後腹部壁に付着させる腹膜の二重層である (Standring, 2021)。その根部は左総腸骨動脈の前方に位置し、長さや形状には個人差がある (Drake et al., 2019)。

構造と機能

S状結腸間膜は、S状結腸動脈および静脈、リンパ管、神経を包含し、S状結腸に栄養を供給するための通路となる (Moore et al., 2018)。その付着線は逆V字型を形成し、S状結腸間膜窩を形成する (Netter, 2022)。

臨床的意義

S状結腸間膜は、S状結腸捻転や大腸憩室症などの疾患と関連があり、外科的処置の際に重要な解剖学的ランドマークとなる (Sinnatamby, 2020)。

参考文献

J720.png

J0720 (大腸と腸間膜の根:前方からの図)

J0726 (S状結腸間陥凹:前下方からの図)

J0764 (後腹壁にある男性の泌尿器:前方からの図)

J0786 (左側の骨盤壁を除去した後の男性の骨盤臓器:左方からの図)

J0798 (女性の骨盤臓器:上方からの図)