気管
気管は呼吸器系の重要な器官であり、以下のような特徴を持ちます:
- 位置:喉頭の下から第6頚椎の位置で始まり、前方に垂直に下降します。
- 構造:
- 気管壁には硝子軟骨性の気管軟骨輪があり、これらは輪状靱帯で連結されています。
- 気管軟骨は15〜20個存在し、幅は3〜4mmです。
- 気管軟骨は馬蹄形を呈し、気管の周囲の3分の2から5分の4を占めます。
- 内部構造:
- 内面は多列繊毛円柱上皮で覆われており、繊毛の運動方向は上向きです。
- 粘膜固有層には多くの弾性線維が存在します。
- 粘膜下組織には胞状の混合腺(気管腺)が多く含まれます。
- 分岐:第4頚椎の前で左右の気管支に分岐します。この分岐部を気管分岐部と呼びます。
- 長さ:日本人の気管の長さは約10cmです。
気管は呼吸において重要な役割を果たし、空気を肺へ運ぶ通路となっています。
J0421 (舌骨筋(深層):前面図)
J0426 (頭側から見たときの気管の始まりを通る頚部の断面図)
J0548 (大きな心臓血管の位置:腹面図)
日本人のからだ(村上 弦 2000)によると
(1)気管の計測値
成人になるまで、気管の長さと容積は年齢と共に増大します。気管の長さは身長と相関があります(星野・松本、1982)。気管断面の形態は個体により異なりますが、前後径と左右径の比率は平均で0.89±0.28であり、「rounded型」と呼ばれる形状をしています(瀧ら、1982)。
(2)気管軟骨