披裂喉頭蓋ヒダ Plica aryepiglottica

J0678 (咽頭:後方からの図)

J0737 (喉頭とその靭帯:右側からの図)

J0742 (静かに息を吸うときの喉頭の喉頭鏡像)

J0743 (喉頭口と喉頭腔:上方からの図)

J0744 (喉頭の正中断、右半分:左方からの図)
定義
披裂喉頭蓋ヒダは、喉頭蓋の側縁から披裂軟骨の尖端まで延びる粘膜のヒダである (Standring, 2020)。このヒダは喉頭口の側方を形成し、喉頭の保護機構において重要な役割を果たす (Moore et al., 2018)。
解剖学的構造
- 喉頭口の側方境界を形成し、喉頭入口部の外側限界を規定する (Moore et al., 2018; Drake et al., 2020)。
- 内部に披裂喉頭蓋筋(筋性部分)を含み、この筋は喉頭口の狭窄に関与する (Netter, 2019; Standring, 2020)。
- 喉頭口を後外側から取り囲むように走行し、喉頭入口部の括約機構の一部を構成する (Drake et al., 2020)。
- 外側面は下咽頭粘膜に連続し、梨状陥凹の内側壁との移行部を形成する (Standring, 2020; Moore et al., 2018)。
- 内側面は喉頭前庭の粘膜に移行し、声門上腔の外側壁を形成する (Moore et al., 2018)。
- 後端には2つの隆起が認められる (Standring, 2020; Netter, 2019)。
- 小角結節(tuberculum corniculatum):小角軟骨(軟骨サントリーニ)の粘膜による被覆部分に対応する (Standring, 2020)。
- 楔状結節(tuberculum cuneiforme):楔状軟骨(軟骨リスベルグ)の粘膜による被覆部分に対応する (Standring, 2020)。
- ヒダの自由縁は喉頭鏡検査時に明瞭に観察され、喉頭口の形態評価の指標となる (Amin, 2020)。
組織学的特徴
- 粘膜は重層扁平上皮で覆われ、機械的刺激に対する抵抗性を有する (Standring, 2020)。
- 粘膜固有層には弾性線維に富む結合組織が存在し、可動性を確保する (Netter, 2019)。
- ヒダ内には腺組織が散在し、粘液分泌により表面の湿潤を保つ (Moore et al., 2018)。
機能
- 嚥下時には喉頭蓋と協調して内転し、喉頭口を閉鎖することで気道への食物や液体の侵入を防ぐ (Matsuo and Palmer, 2008; Logemann, 2015)。
- 発声時には声門上構造として声道の形状を調節し、音響共鳴特性に寄与する (Zhang, 2016)。
- 咳嗽反射や嘔吐反射の際には、喉頭保護機構の一部として機能する (Standring, 2020)。