十二指腸の下行部は、上部で下方に屈曲して(上十二指腸曲)、下行部となります。下行部は長さ約8cmで、第2・3腰椎の右側で右腎臓腎門の前を垂直に下行します。下行部の後内側壁には、膵管と総胆管が開口しています。この開口部は、下行部のほぼ中央(幽門から約8cmのところ)でやや隆起し、大十二指腸乳頭(ファーテル乳頭)を形成します。開口部は、オッディの括約筋と呼ばれる平滑筋で輪状に囲まれています。大十二指腸乳頭の約2cm上方に、小十二指腸乳頭があり、ここに副膵管が開口することもあります。大十二指腸乳頭の付近で、十二指腸は膵臓に向かって嚢状に内腔が膨出することがあります。これを十二指腸憩室と呼びます。十二指腸憩室は、消化管でしばしば見られる憩室です。