底側骨間筋

底側骨間筋は第3から5中足骨の底側面と長足底靭帯から起こり、第3から5趾基節骨の底内側面に付着します。通常、これらの筋は指背腱膜には届かないとされています。これらの筋は外側足底神経によって支配され、各趾の内転、中足趾節関節の屈曲、および趾節間関節の伸展が可能になります。その結果、足は第2趾の方向に動くことができます。

すべて単頭で第3-第5中足骨の内側面から起こり、深横中足靭帯の背側を通って前方へ向かいます。停止腱は主束が第3-第5指の基節骨底の内側部に停止するが、指背腱膜や中足指節関節の関節包に停止する副束が過半数(第1底側骨間筋、15/25側;第2底側骨間筋、16/25;第3底側骨間筋、17/25側)に存在する(図65) (Oukouchi et al., 1992)。

町田(1959)によれば、第2底側骨間筋の停止(2/50側)には、通常の第4指への停止のほかに第3指の基節骨底外側部への停止を持つ例が存在します。支配神経は外側足底神経の深枝です。

図65 足の第3指の指背腱膜(右側)

日本人のからだ(堀口正治 2000)によると

足底の筋 (図64)

母趾球筋(母趾外転筋、短母趾屈筋、母趾内転筋)、小趾球筋(小趾外転筋、短小趾屈筋、小趾外転筋)、そして中足筋(短趾屈筋、足底方形筋、虫様筋、底側骨間筋・背側骨間筋)に分けられます。中足筋では、対応する手の中手筋とは異なり、短趾屈筋と足底方形筋が追加で存在します。短趾屈筋は上肢の浅趾屈筋に相当しますが、足底方形筋に相当する上肢の筋は存在しません。また、小趾球筋では、手の短掌筋に相当する筋は存在しません。

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図64 足底の筋を底側からみたところ(右側)

図64 足底の筋を底側からみたところ(右側)

A:浅層(足底腱膜を除く状態)、B:浅層(短趾屈筋を除く状態)、C:深層(母趾および小趾外転筋、長母趾および長趾屈筋腱と足底方形筋を除く状態)。Abh:母趾外転筋、Adm:小趾外転筋、Ap:足底腱膜、C:踵骨、CI(Qp):外側頭(足底方形筋)、Cm(Qp):内側頭(足底方形筋)、Co(Adh):斜頭(母趾内転筋)、Ct(Adh):横頭(母趾内転筋)、Fdb:短趾屈筋、Fdl:長趾屈筋、Fdmb:短小趾屈筋、Fhl:長母趾屈筋、Id:背側骨間筋、lp:底側骨間筋、L:虫様筋、Lpl:長足底靭帯、Odm:小趾対立筋、Os(Pel):立方骨粗面と関節する長腓骨筋停止腱の種子骨、Peb:短腓骨筋、Pel:長腓骨筋、Qp:足底方形筋、Tp:後脛骨筋、VI(Fhb):外側腹(短母趾屈筋)、Vm(Fhb):内側腹(短母趾屈筋)