胸鎖乳突筋 Musculus sternocleidomastoideus

J0077 (頭蓋骨、筋の起こる所と着く所:右方からの図)

J0081 (外頭蓋底:筋の起こる所と着く所を示す図)

J0167 (右鎖骨、筋の起こる所と着く所:上方からの図)

J0405 (頭部の浅層筋:少し右側からの図)

J0415 (右側の頭頚部の筋:後方からの図)

J0417 (頚部の筋(2層):前方からの図)

J0418 (頚部の筋(第2層):右側からの図)

J0426 (頭側から見た気管始部を通る頚部の断面図)

J0427 (広頚筋を除去した後の右胸部の筋:腹側図)

J0429 (右の胸筋(第2層)、正面からの図)

J0448 (広い背筋:背面図)

J0557 (頚部浅層の動脈:右前方からの図)

J0610 (顔の表在静脈:右側からの図)

J0612 (頚部の静脈、腹側図)

J0669 (唾液腺:右側の下顎の右半分を除去した図)

J0670 (下顎腺とその周囲:右下方からの図)

J0919 (右側の舌神経:右方からの図)

J0930 (右の頚神経叢の枝:右側からの図)
概要
胸鎖乳突筋は、側頚部の最も表層に位置する特徴的な筋肉であり、頭部の運動と頚部の形態に重要な役割を果たします (Moore et al., 2018)。この筋肉は、その特徴的な走行と機能から、解剖学的および臨床的に重要な構造物です。胸鎖乳突筋は二頭性の筋であり、胸骨頭と鎖骨頭から構成され、これらが上行して癒合し、側頚部に特徴的な斜走する隆起を形成します (Standring, 2020)。
解剖学的特徴
起始
- 胸骨頭:胸骨柄前面の上部から起始します。胸骨頭は腱性で、円柱状の形態を呈します (Standring, 2020)。
- 鎖骨頭:鎖骨の胸骨端上面の内側1/3から起始します。鎖骨頭は筋性で、より広く平坦な形態を示します (Drake et al., 2019)。
- 両頭の間隙:胸骨頭と鎖骨頭の間には小さな三角形の間隙があり、この部位は外科的に重要なランドマークとなります (Netter, 2019)。
走行
両頭は起始部から上外側方へ向かって斜走します。胸骨頭は鎖骨頭の内側を通過し、約5cm上方で両頭は互いに交差して癒合します。癒合後、筋腹は厚く肉性となり、乳様突起に向かって斜走し、側頚部に特徴的な隆起を形成します (Drake et al., 2019)。この走行により、胸鎖乳突筋は頚部を前三角と後三角に分ける重要な解剖学的境界となります (Moore et al., 2018)。
停止
- 主要停止部:側頭骨の乳様突起の外側面に強固に付着します (Standring, 2020)。
- 副次的停止部:後頭骨の上項線外側部にも付着し、停止部は幅広い腱膜性の付着を示します (Netter, 2019)。
- 停止部の臨床的意義:停止部の強固な付着は、筋性斜頚などの病態において重要な役割を果たします (Kumar and Clark, 2020)。
筋の構造
- 筋線維の配列:筋線維は二羽状筋に近い配列を示し、力学的に効率的な構造を持ちます (Standring, 2020)。
- 筋膜:胸鎖乳突筋は頚筋膜浅層に包まれており、この筋膜は筋の機能と周囲組織との関係に重要な役割を果たします (Drake et al., 2019)。
- 解剖学的変異:約5-10%の症例で、第三頭(胸鎖頭)や副筋束などの解剖学的変異が認められます (Mehta et al., 2022)。
機能と作用