脛踵部(三角靱帯の)Pars tibiocalcanea (Ligamentum deltoideum)

J0345 (右足の関節:後方からの図)

J0346 (右足の関節:側面からの図)

J0347 (右足の関節:内側からの図)
解剖学的特徴
脛踵部(Pars tibiocalcanea)は三角靭帯(内側側副靭帯)の重要な構成要素です(Boss & Hintermann, 2002):
- 起始:内果の先端および前縁から起始します(Milner & Soames, 1998)
- 走行:ほぼ垂直方向に下降します
- 停止:踵骨の載距突起(sustentaculum tali)の内側縁に付着します(Milner & Soames, 1998)
- 構造:三角靭帯の中でも特に強靭な線維束で構成されています(Boss & Hintermann, 2002)
周囲構造との関係:
- 前方部分は底側距舟靭帯(spring ligament)と癒合しています(Milner & Soames, 1998)
- 後方部分は距骨下関節包の表面を越えて、踵骨体の内側面まで到達します
機能と臨床的意義
脛踵部は足関節の内側安定性において中心的な役割を果たしています(Hintermann et al., 2004)。
臨床的に重要な点:
- 外反安定性:足関節の過度な外反(外がえし)を制限し、内側支持機構の主要な要素となっています(Hintermann et al., 2004)
- 距骨の安定化:距骨が内果に対して過度に外側へ移動するのを防ぎます(Boss & Hintermann, 2002)
- 損傷機序:外反強制により損傷することがありますが、外側靭帯損傷に比べて発生頻度は低いです(Hintermann et al., 2004)。これは三角靭帯が外側靭帯よりも強靭であるためです
- 関連する骨折:高エネルギー外傷による三角靭帯損傷は、しばしば腓骨骨折や後果骨折を伴います(Pankovich & Shivaram, 1979)
- 診断:MRI検査が損傷の評価に有用で、特に深層部分の評価が可能です(Hiller & Refshauge, 2004)
- 治療:完全断裂の場合、足関節の不安定性が残存する可能性があるため、外科的修復が検討されることがあります(Hintermann et al., 2004)