下橈尺関節
下橈尺関節は以下のような特徴を持つ関節です:
- 位置:尺骨頭(尺骨の下端)と橈骨の尺骨切痕(橈骨の下端)の間に位置します。
- 種類:前腕の回内(内旋)と回外(外旋)を可能にする軸関節です。
- 構造:
- 関節腔の遠位面は、橈骨と尺骨の間にある三角形の関節円板の上面に位置します。
- 関節円板は底辺が橈骨に、先端が尺骨の茎状突起に向かう三角形の形状をしています。
- 関節腔の一部が上方に広がり、この部分を嚢状陥凹と呼びます。
- 機能:
- 上腕尺骨関節と協調して、前腕の回外と回内を行います。
- 運動の軸は橈骨頭と尺骨の茎状突起を結ぶ線上にあり、尺骨が固定された状態で橈骨がこの軸を中心に回転します。
- 橈骨の下端における運動範囲は約180度です。
- 関連構造:
- 前腕骨間膜と斜角筋は、手関節にかかる力を前腕から上腕へ伝達する役割を担います。
- これらの構造は同時に、過度の回旋を制限する機能も果たしています。
J0319 (右前腕の骨と靱帯:手の回旋位の掌側からの図)
J0320 (右手の関節、手根を回外位とし、掌側からの図)
J0321 (右手の関節:手根を回外位とし、手の甲からの図)