0320 (右手の関節、手根を回外位とし、掌側からの図)

J0320 (右手の関節、手根を回外位とし、掌側からの図)
この図の要点(右手の掌側=手のひら側、回外位)
- 骨の位置関係
- 01 橈骨、15 尺骨が近位側で手根に連なる
- 19 月状骨、20 豆状骨など手根骨が中央
- 10–14 第1〜5中手骨が遠位側
- 主な関節
- 16 下橈尺関節(前腕の回内外の回転を担う軸)
- 06 母指の手根中手関節(CM関節:鞍関節で母指の対立運動に重要)
- 掌側の主要靱帯(安定化の要)
- 02 掌側橈骨手根靱帯:橈骨から手根へ放射状に走り、手関節の屈曲時に緊張
- 03 外側手根側副靱帯:橈骨側で橈屈を制動
- 18 内側手根側副靱帯:尺骨側で尺屈を制動
- 05 放射状手根靱帯:手根中央で扇状に広がり、手根列を結束
- 08 掌側中手靱帯、09 掌側手根中手靱帯:中手骨基部を掌側で連結し扇形の安定性を担保
- 25 骨間中手靱帯:中手骨基部どうしを深部で結合
- 豆状骨とその周辺の連結
- 21 豆鈎靱帯(豆状骨→有鈎骨)
- 22 豆中手靱帯(豆状骨→第5中手骨)
- 23 有鈎骨鈎:手根管尺側のランドマーク
- 24 有鈎骨中手靱帯(有鈎骨→第4・5中手骨)
- 触知できる骨性指標
- 04 舟状骨結節(橈側の隆起)
- 23 有鈎骨鈎(尺側の隆起)
これら2点と横手根靱帯で手根管の入口が形作られる
機能と臨床のポイント
- 掌側靱帯群(02・05)は背側より強く、過伸展を抑えて関節を安定化
- 側副靱帯(03・18)は橈尺方向のぐらつきを制御。転倒時の捻挫で損傷しやすい
- 16 下橈尺関節の周囲には三角線維軟骨複合体(TFCC)があり、尺側手関節痛の原因として重要
- 06 母指CM関節は変形性関節症の好発部位。把持やつまみ動作で疼痛が出やすい
- 23 有鈎骨鈎はガイヨン管(尺骨神経・動脈の通路)のランドマーク。自転車や工具使用で圧迫症状が出ることがある
この図は「掌側靱帯ネットワークで手関節と中手基部を一体化して安定させている」ことを示しています。番号はページ内アノテーションの対応先と一致しています。
アノテーション
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A03_0253(手の関節)Joints of hand→Articulationes manus【手の関節】Joints of hand (A03_5_11_001)