肩関節
肩関節は、肩甲骨関節窩と上腕骨頭との間にある典型的な球関節です。主な特徴は以下の通りです:
- 構造:
- 関節窩は小さく、上腕骨頭の関節面の約1/3の大きさしかありません。
- 関節窩の周縁は、線維軟骨性の関節唇によって補強されています。
- 可動性:
- 関節包の外側に特に強い靭帯がないため、結合が緩く、自由な動きが可能です。
- 全身の関節の中で最大の可動域を持ちます。
- 運動:
- 屈曲(前方挙上)、伸展(後方挙上)、内転、外転、回旋、および円運動が可能です。
- 上肢帯の関節(胸鎖関節と肩鎖関節)との協調運動により、可動域が拡大します。
- 特徴的な面:
- 肩甲骨関節窩は、前外方に約30度の角度をなす面(肩甲骨面)上にあります。
- この面で肩関節の可動域が最大となります。
- 関連する靭帯:
- 関節上腕靱帯:関節唇の上前縁から上腕骨の解剖頚につながります。
- 烏口上腕靱帯:烏口突起の外側面から上腕骨結節間溝の近位端に伸びています。
これらの特徴により、肩関節は上肢の広範囲な動きを可能にしています。
J0310 (右肩関節:前方からの図)
J0311 (右肩関節:前方からの図)
J0312 (右肩関節:後方からの図)
J0313 (右肩関節:後方から前面断図)