斜索(前腕骨間膜の)Chorda obliqua membranae interossei antebrachii
前腕骨間膜の斜索は、前腕の解剖学的に重要な線維性構造で、機能的にも臨床的にも意義があります(Skahen et al., 1997)。

J0314 (右の肘関節:手の回外位に伸ばされ、前方からの図)

J0315 (右肘関節:直角に曲がり、尺側からの図)

J0318 (右の肘関節は伸ばされ、上腕骨の滑車の軸に対して垂直に切断:尺側からの図)

J0319 (右前腕の骨と靱帯:手の回旋位の掌側からの図)

J0467 (右上腕の筋(第2層):掌側図)
解剖学的特徴
- 起始:尺骨遠位端の尺骨粗面(尺骨結節のやや遠位)から起こります(Standring, 2020)
- 走行:外下方(遠位外側方向)へ斜めに走行する扁平な線維帯を形成します(Noda et al., 2009)
- 付着:橈骨粗面(橈骨結節)のやや遠位部に付着します
- 構造:主に膠原線維からなる強靭な結合組織で、前腕骨間膜の一部を形成します(McGinley et al., 2001)
- 位置関係:前腕骨間膜の最近位部に位置し、回外筋の遠位に隣接しています(Moore et al., 2018)
機能的意義
- 前腕の回内・回外運動中に橈骨と尺骨の位置関係を安定させます(Pfaeffle et al., 2005)
- 特に前腕回内時の過剰な橈骨の移動を制限します(Moritomo et al., 2009)
- 橈骨頭に対する尺骨の相対的な位置を維持する役割があります
- 前腕の軸方向の荷重伝達にも関与しています(Nakamura et al., 1999)
血管・神経との関係
- 斜索と前腕骨間膜との間に形成される骨間裂孔(hiatus interosseous)は背側骨間動脈の通路となります(Spinner and Kaplan, 1984)
- この血管は後骨間神経とともに後方区画に向かい、そこで伸筋群に栄養を供給します
臨床的意義
外傷と骨折における役割
- モンテジア骨折(Monteggia fracture):尺骨近位部の骨折と橈骨頭の脱臼を伴う損傷において、斜索の完全性が治療結果と関節の安定性に重要な影響を与えます(Soubeyrand et al., 2006; Ring et al., 1998)