顆間隆起(脛骨の)Eminentia intercondylaris
脛骨の顆間隆起は、脛骨上端部における重要な解剖学的ランドマークであり、膝関節の機能と安定性に不可欠な構造です(Standring, 2020)。

J0246 (右の脛骨と腓骨:上方からの図)

J0336 (右膝関節:関節の中央をおおよそ通る矢状断)

J0381 (右膝:伸ばされた、腹背方向からのX線像)
解剖学的特徴
位置と構造:
- 脛骨上端の関節面中央に位置し、外側顆と内側顆の上関節面の間に存在します(Moore et al., 2018)。
- 前後方向に走る骨性の隆起で、粗面を持つ鋭利な稜を形成しています(Netter, 2019)。
- 内側顆間結節(tuberculum intercondylare mediale)と外側顆間結節(tuberculum intercondylare laterale)の2つの突起に分かれています(Standring, 2020)。
- 前方は前顆間区(area intercondylaris anterior)、後方は後顆間区(area intercondylaris posterior)に連続しています(Moore et al., 2018)。
靱帯付着部:
- 前顆間区:前十字靱帯(ACL)の脛骨付着部となります(Amis & Dawkins, 1991)。
- 後顆間区:後十字靱帯(PCL)の脛骨付着部となります(Girgis et al., 1975)。
- 顆間隆起の両側:内側半月と外側半月の前角・後角が付着します(Berlet & Fowler, 1998)。
関節面との関係:
- 大腿骨の顆間窩(intercondylar fossa)に嵌合し、膝関節の回旋安定性を提供します(Standring, 2020)。
膝関節の屈曲・伸展運動時に大腿骨顆部との間で適合性を維持します(Kapandji, 2019)。uli>
臨床的意義
外傷:
- 顆間隆起骨折は、特に小児や青年期に多く見られ、前十字靱帯の過度な牽引力によって生じます(Meyers & McKeever, 1959)。
- Meyers-McKeever分類により、骨折の転位程度に基づいてI型(骨折なし)からIV型(完全転位・回転)まで分類されます(Meyers & McKeever, 1970)。
- 成人では、同様の外傷機転で前十字靱帯損傷が生じることが多くなります(Zaricznyj, 1977)。