上関節面(脛骨の)Facies articularis superior tibiae
脛骨の上関節面は、膝関節を構成する重要な解剖学的構造であり、以下のような詳細な特徴を持ちます。

J0246 (右の脛骨と腓骨:上方からの図)

J0383 (右膝:伸ばして、外内側方向からのX線像)

J0384 (右膝:曲がり、外内側方向からのX線像)
解剖学的特徴
- **位置と構造:**脛骨の近位端に位置し、内側顆(condylus medialis)と外側顆(condylus lateralis)の上面を形成しています(Gray, 2020)
- **形態:**内側関節面は卵円形でわずかに凹面を呈し、外側関節面はより円形で平坦またはわずかに凸面を呈しています(Standring, 2016)
- **関節軟骨:**関節面は硝子軟骨(硝子様軟骨)で覆われており、滑らかな関節運動を可能にしています(Moore et al., 2018)
- **顆間隆起:**内側顆と外側顆の間には顆間隆起(eminentia intercondylaris)があり、内側結節と外側結節から構成されています(Netter, 2019)
- **対向関節面:**大腿骨の内側顆と外側顆の関節面と対向し、その間に半月板(meniscus)を介在させて膝関節を形成しています(Drake et al., 2020)
臨床的意義
- **荷重伝達:**体重の伝達において中心的な役割を果たし、特に内側関節面により多くの荷重がかかります(約60-70%)(Schipplein & Andriacchi, 1991)
- **脛骨高原骨折:**高エネルギー外傷により脛骨高原(tibial plateau)骨折が生じることがあり、関節面の段差や陥没が生じると関節の適合性が損なわれ、変形性関節症のリスクが高まります(Schatzker et al., 1979)
- **半月板損傷との関連:**半月板が損傷すると、上関節面への応力集中が生じ、軟骨損傷や変形性膝関節症の進行を促進します(Englund et al., 2012)
- **前十字靭帯損傷:**前十字靭帯(ACL)が付着する顆間隆起前方の損傷は、膝の不安定性を引き起こします(Griffin et al., 2000)
- **変形性膝関節症:**加齢や過度の荷重により関節軟骨が摩耗し、関節面の変形や骨棘形成が生じることがあります(Felson et al., 2000)
- **画像診断:**X線撮影、CT、MRIにより関節面の状態、骨折の有無、軟骨損傷の程度を評価することができます(Kaplan et al., 2012)
この構造は、膝関節の機能と安定性に不可欠な要素であり、歩行、走行、ジャンプなどの動作において重要な役割を果たしています。臨床的には、外傷や変性疾患の好発部位として重要な意義を持ちます。
参考文献
- Drake RL, Vogl AW, Mitchell AWM. (2020). Gray's Anatomy for Students (4th ed.). Elsevier.ー医学生向けの解剖学教科書で、脛骨と膝関節の詳細な構造を図解とともに解説しています。
- Englund M, Guermazi A, Lohmander SL. (2012). The role of the meniscus in knee osteoarthritis: a cause or consequence? Radiol Clin North Am, 47(4), 703-712.ー半月板損傷と変形性膝関節症の関連性についての研究論文です。