後面(橈骨の)Facies posterior radii
橈骨の後面(背側面)は、前腕の外側骨である橈骨の後方を構成する重要な解剖学的領域です(Standring, 2020)。

J0180 (右側の橈骨:背側からの図)

J0181 (右前腕骨の中央部断面:回外位での上方からの図)

J0182 (右前腕骨の下端を上向きの位置:下方からの図)
解剖学的特徴
位置と境界:
- 橈骨体の後方部分を形成し、後縁(背側縁)と骨間縁の間に位置します(Gray & Goss, 1973)。
- 解剖学的肢位(手のひらを前方に向けた状態)では、この面は後方を向きます。
- 近位から遠位まで全長にわたって存在し、橈骨頭直下から橈骨遠位端まで続きます(Standring, 2020)。
表面の特徴:
- 上部1/3では比較的平滑ですが、中央部から遠位にかけて浅い溝や隆起が見られます(Moore et al., 2017)。
- 後面の近位部には、回外筋の停止部があります(Netter, 2018)。
- 中央部やや遠位には、長母指外転筋と短母指伸筋の起始部となる斜走する隆起線が存在します(Gray & Goss, 1973)。
- 遠位端付近では、背側結節(リスター結節)が顕著な骨性隆起として触知できます(Standring, 2020)。
筋の付着
起始する筋:
- **長母指外転筋(Abductor pollicis longus):**橈骨後面の中央部から起始し、母指の外転に作用します(Moore et al., 2017)。
- **短母指伸筋(Extensor pollicis brevis):**長母指外転筋の遠位で橈骨後面から起始し、母指の伸展に関与します(Netter, 2018)。
- **示指伸筋(Extensor indicis):**橈骨後面の遠位1/3から起始することがあります(Moore et al., 2017)。
停止する筋:
- **回外筋(Supinator):**橈骨後面の近位1/3に停止し、前腕の回外運動を行います(Standring, 2020)。