第二肋骨 Costa secunda [II]

J0140 (右側の第一および第二肋骨:上外側からの図)
J0141 (右側の第一および第二肋骨:上外側からの図)

J0307 (胸骨と肋骨と靱帯:前方からの図)

J0359 (胸椎と隣接する肋骨、腹背方向からのX線像)

J0425 (右側の斜角筋:右側からの図)

J0454 (頚部の筋(左:第2層、右:第3層):背面図)

J0458 (短い背筋(2層):背面図)

J0459 (短い背筋(第3層):背面図)
第二肋骨は胸郭を構成する12対の肋骨のうち、上から2番目に位置する骨であり、呼吸運動、胸部臓器の保護、上肢の運動など多様な機能に関わる重要な構造です (Gray, 2020; Standring, 2021)。
1. 解剖学的特徴
1.1 形態と構造
- 全体形態:第二肋骨は第一肋骨と第三肋骨の中間的な形状を呈し、第一肋骨よりも長く(約20cm)、より典型的な肋骨の湾曲を示します (Moore et al., 2018; Standring, 2021)。
- 肋骨頭部(caput costae):後方に位置し、第一胸椎下関節面と第二胸椎上関節面の2つの小関節面を持ち、椎間円板を介して両椎体と関節します (Drake et al., 2019)。頭部の内側面には関節稜(crista capitis costae)が存在し、椎間円板に付着します (Netter, 2019)。
- 肋骨頚部(collum costae):頭部と結節の間に位置する狭窄部で、長さは約2-3cmです。頚部の上縁には上肋横靭帯が付着します (Agur and Dalley, 2017)。
- 肋骨結節(tuberculum costae):頚部と体部の移行部に位置し、関節面(facies articularis)を持ち第二胸椎横突起と肋横突関節を形成します。結節の内側には強靭な肋横突靭帯が付着します (Standring, 2021)。
- 肋骨体部(corpus costae):最も長い部分で、前外方に向かって湾曲しています。体部の特徴として:
- 外面(facies externa):凸面を呈し、前鋸筋などの筋が付着します (Drake et al., 2019)。
- 内面(facies interna):凹面を呈し、胸膜に接します (Moore et al., 2018)。
- 上縁(margo superior):比較的平滑で、鎖骨下動脈溝(sulcus arteriae subclaviae)が存在する場合があります (Standring, 2021)。
- 下縁(margo inferior):肋骨溝(sulcus costae)が明瞭で、第二肋間動脈、静脈、神経が走行します (Gray, 2020)。
- 肋骨角(angulus costae):体部の後方約1/3の位置で最も湾曲が強い部分で、この部位は骨折の好発部位となります (Lomoschitz et al., 2018)。
- 前端:肋軟骨と連結する部分で、やや拡大し粗面を呈します。第二肋軟骨を介して胸骨柄の側縁(胸骨角の高さ)と連結します (Netter, 2019)。
1.2 位置関係と解剖学的ランドマーク
- 椎骨との関係:後方では第二胸椎と肋椎関節および肋横突関節を形成します (Moore et al., 2018)。
- 胸骨との関係:前方では第二肋軟骨を介して胸骨角(Angle of Louis、ルイ角)の高さで胸骨柄と連結します。この胸骨角は重要な体表解剖学的指標で、第二肋骨・肋軟骨の同定、気管分岐部の位置(第4-5胸椎レベル)、大動脈弓の始まりの確認などに用いられます (Standring, 2021; Tubbs et al., 2022)。
- 隣接肋骨との関係:上方は第一肋骨、下方は第三肋骨と平行に配列し、肋間筋群によって連結されています (Drake et al., 2019)。
2. 周囲構造との解剖学的関係
2.1 筋肉の付着
- 前鋸筋(musculus serratus anterior):第二肋骨の外側面に起始部の一部が付着し、肩甲骨の運動(前方引き、上方回旋)に関与します (Drake et al., 2019)。
- 後上鋸筋(musculus serratus posterior superior):第二肋骨を含む上位肋骨に停止し、吸気時の肋骨挙上を補助します (Agur and Dalley, 2017)。
- 斜角筋群:前斜角筋と中斜角筋が第一肋骨に主に付着しますが、第二肋骨にも一部線維が及ぶことがあります (Netter, 2019)。