前頭突起 Processus frontalis (Maxilla)
前頭突起は上顎骨から上方へ伸びる骨性構造で、顔面頭蓋の構成と安定性に重要な役割を果たしています(Gray and Williams, 2020)。以下に解剖学的特徴と臨床的意義を詳述します。

J0047 (右の涙骨:外側からの図)

J0048 (右の涙骨:内側からの図)

J0049 (右鼻骨:外側からの図)

J0050 (右鼻骨:内側からの図)

J0053 (右上顎骨:外側からの図)

J0054 (上顎骨:内面からの図)

J0095 (鼻腔の右側壁:左方からの図)

J1000 (右眼窩の内容物:前方からの図)

J1012 (右の眼窩隔膜:前方からの図)

J1019 (右眼の涙器:前方からの図)
解剖学的特徴
1. 起始・走行・形態
- 起始:上顎体の上前内側角から垂直に上昇し、前頭骨の鼻部(pars nasalis)に達します(Standring et al., 2016)
- 形態:細長く扁平な三角形状を呈し、厚さ約1-2mmの薄い骨板から構成されます(Netter, 2018)
- 高さ:約15-20mmで、個人差が大きく、人種や性別によっても異なります(Moore et al., 2022)
- 位置関係:鼻骨(nasal bone)と涙骨(lacrimal bone)の間に位置し、前頭骨の鼻縁(margo nasalis)と関節を形成します(Drake et al., 2019)
2. 外側面の構造
- 前涙嚢稜(crista lacrimalis anterior):外側面を縦走する隆起で、この稜により外側面は前後に区分されます(Drake et al., 2019)
- 前部:顔面に露出し、鼻背(dorsum nasi)の側壁を形成します
- 後部:涙嚢窩(fossa sacci lacrimalis)の前壁を構成し、涙嚢を収容する空間を形成します
- 眼輪筋(orbicularis oculi muscle)の一部が前涙嚢稜に付着します(Schünke et al., 2020)
- 内眼角靭帯(medial palpebral ligament)の一部も前涙嚢稜に起始します(Abrahams et al., 2019)
3. 内側面の構造
- 上部:篩骨迷路(ethmoid labyrinth)の前端と接し、前部篩骨洞(anterior ethmoidal sinus)の外側壁を形成します(Abrahams et al., 2019)
- 篩骨篩(lamina cribrosa)との関係が重要で、前頭洞へのアプローチの際の指標となります
- 前篩骨動脈(anterior ethmoidal artery)および前篩骨神経(anterior ethmoidal nerve)がこの部位を通過します
- 中部:鼻腔の外側壁の一部を形成し、中鼻甲介(middle nasal concha)の付着部となる篩骨稜(crista ethmoidalis)があります(Schünke et al., 2020)
- 下部:下鼻甲介(inferior nasal concha)の前端が付着する下鼻甲介稜(crista conchalis)があります(Sinnatamby, 2018)
4. 縁と接合関係
- 前縁:鼻骨と縫合して鼻上顎縫合(nasomaxillary suture)を形成します(Sinnatamby, 2018)
- この縫合は鼻骨骨折の好発部位であり、外傷時の骨折線の走行を理解する上で重要です
- 後縁:涙骨と結合して涙上顎縫合(lacrimomaxillary suture)を形成します
- 涙嚢窩の前縁を構成し、涙道系の解剖学的指標となります