0054 (上顎骨:内面からの図)

J0054 (上顎骨:内面からの図)
図の概要
この図はW.Spalteholz のAtlas 第13版の図54(1933年)からのものです。
上顎骨は顔面中央の“土台”で、鼻腔・口腔・眼窩の三領域をつなぐ要石の役割を持ちます。図中の赤番号は主要ランドマークを示しています。
主要ランドマークと位置関係
- 01 前頭突起:上方へ伸び、前頭骨や鼻骨と連結。涙骨と作る境界に「涙骨縁」「涙嚢溝」(12, 13)が走る。
- 02 上顎体:上顎洞を内包する本体部分。内側面が「鼻腔面」(08)。
- 03 歯槽突起:歯が植立する縁。口腔前方で04の口蓋突起と連続。
- 04 口蓋突起:左右が正中で合わさり硬口蓋の前方を作る。下方には「切歯管」(20)が開く。
- 05 鼻骨と接続:鼻背の上部で鼻骨と縫合。
- 06 篩骨稜 と 07 鼻甲介稜:中鼻甲介や下鼻甲介の付着縁となる稜。
- 08 鼻腔面:鼻腔に向いた平滑面。上顎洞の内側壁の一部を成す。
- 09 鼻切痕 と 10 前鼻棘:外鼻基部の鋭いランドマークで、鼻中隔や上唇周囲の形態に関与。
- 11 前頭骨鼻部との接続:前頭突起の上端が前頭骨と噛み合う領域。
- 12 涙骨縁 と 13 涙嚢溝:涙嚢が収まる溝から鼻涙管へ続き、眼窩と鼻腔の排涙路を形づくる。
- 14 口蓋骨の垂直板 と 15 眼窩突起:口蓋骨が後上方で眼窩・鼻腔・口腔を連絡する関節面。
- 16 上顎洞裂孔(上顎裂孔):上顎洞が鼻腔へ交通する大きな開口部(実際の生体では周囲骨で狭くなる)。
- 17 篩骨の眼窩板:眼窩内側壁の薄い“紙様板”。