
J0026 (右の側頭骨:外側からの図)

J0028 (右の側頭骨:下方からの図)

J0029 (右の側頭骨:前方からの図)

J0081 (外頭蓋底:筋の起こる所と着く所を示す図)

J0355 (頭蓋骨:後頭前頭方向からのX線像)

J0418 (頚部の筋(第2層):右側からの図)

J0420 (頚部の筋(第3層):右側からの図)

J0679 (咽頭の上端:下方からの図)

J0682 (右側の耳管軟骨部:側面、わずかに下後方からの図)

J0683 (頭蓋骨の筋:後方からの図)

J0919 (右側の舌神経:右方からの図)

J1020 (右の外耳および中耳の概要:前外側からの図)

J1023 (右耳の軟骨とその骨との接続:前面から少し外側からの図)

J1043 (右の耳管軟骨、下方からの図)
茎状突起(側頭骨の)Processus styloideus (Ossis temporale)
側頭骨の茎状突起は、解剖学的および臨床的に重要な構造で、以下の特徴を持ちます(Moore et al., 2023; Standring, 2021)。
1. 解剖学的特徴
- 錐体下面の後外側端から前下内方へ伸びる、細長い円錐状の骨性突起です(Gray and Carter, 2021; Standring, 2021)。
- 通常の長さは2.5cm程度ですが、個人差が大きく、1〜5cmの範囲で変異します(Netter, 2022; Badhey et al., 2017)。
- 茎突舌骨靱帯(stylohyoid ligament)、茎突下顎靱帯(stylomandibular ligament)の付着部となります(Drake et al., 2020; Moore et al., 2023)。
- 茎突舌骨筋(stylohyoid muscle)、茎突咽頭筋(stylopharyngeus muscle)、茎突舌筋(styloglossus muscle)の起始部となります(Drake et al., 2020; Standring, 2021)。
- 頸動脈鞘(carotid sheath)の外側に位置し、内頸動脈と外頸動脈の分岐部に近接します(Moore et al., 2023)。
- 舌咽神経(glossopharyngeal nerve, CN IX)、迷走神経(vagus nerve, CN X)、副神経(accessory nerve, CN XI)が近接して走行します(Gray and Carter, 2021; Drake et al., 2020)。
- 顔面神経(facial nerve, CN VII)の茎乳突孔からの出口部に隣接します(Standring, 2021)。
2. 発生学的特徴
- 第2鰓弓(second pharyngeal arch)、別名ライヘルト軟骨(Reichert's cartilage)の背側端部が骨化して形成されます(Sadler, 2023; Schoenwolf et al., 2021)。
- 胎生期に形成される茎状突起鞘(styloid sheath)に覆われています(Schoenwolf et al., 2021)。
- 茎状突起の近位部分は出生時に骨化しており、遠位部分は思春期頃に骨化が完了します(Sadler, 2023; Moore et al., 2023)。
- 茎状突起、茎突舌骨靱帯、舌骨小角は発生学的に連続した構造であり、ライヘルト軟骨に由来します(Schoenwolf et al., 2021)。
3. 臨床的意義
- イーグル症候群(Eagle syndrome):茎状突起が異常に長い(3cm以上)場合や、茎突舌骨靱帯の骨化により、咽頭痛、嚥下痛、頸部痛、異物感、耳痛などの症状を引き起こすことがあります(Eagle, 1958; Badhey et al., 2017)。
- 古典型イーグル症候群(classic Eagle syndrome):扁桃摘出術後に生じる咽頭痛と嚥下痛を特徴とします(Eagle, 1958; Badhey et al., 2017)。
- 頸動脈型イーグル症候群(carotid artery type):茎状突起が内頸動脈または外頸動脈を圧迫し、頭痛、めまい、失神などの症状を呈します(Badhey et al., 2017; Kumar et al., 2022)。