顆管 Canalis condylaris

顆管は、後頭骨の後頭顆後方に位置する顆窩から始まる骨管で、頭蓋内外の静脈系を連絡する顆導出静脈(emissary vein)を通します。この管は後頭骨の骨組織中を斜めに走行し、頭蓋腔内のS状静脈洞と頭蓋外の後頭静脈叢や椎骨静脈叢を連絡しています(Standring, 2020)。

J020.png

J0020 (後頭骨:前方からの図)

J021.png

J0021 (後頭骨:後下方からの図)

J022.png

J0022 (後頭骨:右側からの図)

J098.png

J0098 (14cm長(4ヶ月)胎児の内頭蓋底)

J0099 (18cm長(4ヶ月)胎児の内頭蓋底)

J0100 (12cm長(4ヶ月)胎児の内頭蓋底)

J0101 (14 cm長(4ヶ月)胎児の内頭蓋底)

J102.png

J0102 (19cm長(5ヶ月の初め)胎児の内頭蓋底)

J103.png

J0103 (28cm長(6ヶ月)胎児の内頭蓋底)

J106.png

J0104 (5cm長(約10週間)胎児の後頭部)

J0105 (7.5cm長胎児(約13週間)の後頭部:後方からの図)

J0106 (7ヶ月胎児の後頭部:前面からの図)

詳細な解剖学的構造

**起始と終止:**顆管の内側開口部(頭蓋内開口部)は、後頭骨の内面においてS状静脈洞溝の近傍、通常は横静脈洞溝からS状静脈洞溝への移行部付近に位置します。外側開口部(頭蓋外開口部)は、後頭顆の後外側に位置する顆窩(condylar fossa)内に開口し、舌下神経管の後方に位置します(Tubbs et al., 2007)。

**走行と形態:**顆管は後頭骨の骨組織中を後外側方向に斜めに走行します。管の直径、長さ、走行経路には著しい個人差があり、片側のみに存在する場合(約20-30%)や、両側とも欠如する場合(約5-10%)もあります(San Millán Ruíz et al., 2004)。管の直径は通常1-3mm程度ですが、血管奇形や静脈還流異常がある場合には著明に拡大することがあります。

**周辺解剖:**顆管は以下の重要な構造と近接関係にあります:

**顆導出静脈の詳細:**顆管を通る顆導出静脈は、頭蓋内外の静脈系を連絡する重要な側副路の一つです(Ginsberg et al., 1998)。この静脈は以下の特徴を持ちます:

臨床的意義と病態

**感染の伝播経路:**顆導出静脈は弁を持たないため、頭蓋外の感染が頭蓋内に逆行性に伝播する経路となりえます(Friedmann, 1962)。以下の感染症が顆管を介して頭蓋内に波及する可能性があります: