斜台 Clivus

J0020 (後頭骨:前方からの図)

J0095 (鼻腔の右側壁:左方からの図)

J0097 (左方からの鼻腔、骨性鼻中隔)

J0356 (頭蓋骨:右左方向からのX線像)

J0357 (頭蓋骨:右左方向からのX線像、軸線は右の外耳道の少し上から入ります)

J0904 (硬脳膜と頭蓋骨を通る神経)
解剖学的特徴
斜台は頭蓋底中央部の重要な骨性構造であり、後頭蓋窩の前壁を形成しています (Standring, 2024)。この構造は蝶形骨体の後面(上部)と後頭骨底部(下部)から構成され、滑らかな傾斜面を形成しています (Moore et al., 2023)。
位置と境界
- 上端:蝶形骨の鞍背(dorsum sellae)から始まり、トルコ鞍の後壁を形成します (Rhoton, 2024)
- 下端:大後頭孔(foramen magnum)の前縁で終わります (Standring, 2024)
- 側方:錐体後頭裂(petroclival fissure)により側頭骨錐体部と境界します (Rhoton, 2024)
- 前面:鼻咽腔後壁に面しています (Moore et al., 2023)
- 後面:脳幹(橋および延髄)の前面に直接接しています (Standring, 2024)
骨の構成と発生
斜台は発生学的に異なる2つの骨から形成されます (Moore et al., 2023):
- 上部斜台:蝶形骨体の後面から形成され、内軟骨性骨化により発生します (Standring, 2024)
- 下部斜台:後頭骨底部(基底部、basiocciput)から形成されます (Standring, 2024)
- 両者の境界:出生時には軟骨結合(蝶後頭軟骨結合、spheno-occipital synchondrosis)により連結し、通常18〜25歳頃に骨性癒合します (Moore et al., 2023)
血管解剖
斜台の前面には重要な血管構造が位置しています (Rhoton, 2024):
- 脳底動脈(basilar artery):斜台の中央部を上行し、橋の前面に密接に位置します (Rhoton, 2024)
- 分枝:前下小脳動脈(AICA)、上小脳動脈(SCA)、後大脳動脈(PCA)を分岐します (Rhoton, 2024)
- 臨床的意義:脳底動脈瘤の好発部位であり、手術アプローチの際の重要なランドマークです (Winn, 2023)
- 椎骨動脈(vertebral arteries):大後頭孔レベルで合流し脳底動脈を形成します (Rhoton, 2024)
- 後下小脳動脈(PICA)を分岐します (Rhoton, 2024)
- 下錐体静脈洞(inferior petrosal sinus):斜台の両側を走行し、頭蓋内静脈血を内頸静脈へ導きます (Standring, 2024)