https://funatoya.com/funatoka/Rauber-Kopsch.html
図072(上下の舌における各種の腺の分布)、073(舌の神経支配を示す模式図(剖出および機能検査による))
舌は横紋筋を主成分とし、口腔粘膜で覆われた、豊富な血管と神経を持つ器官である。やや細長く幅広い形状で、口腔をほぼ満たし、その底から上方に突出している。前方は下顎と、後上方は頭蓋底と、後下方は舌骨とつながっている。
後方のより幅広い部分、すなわち舌根Radix linguae, Zungenwurzelで咽頭および喉頭と境している。前端は丸みを帯びて舌尖Apexと呼ばれ、歯列弓の中部まで伸びている。舌の根元と舌尖の間が舌体Corpus linguae, Zungenspitzeである。口蓋に向かう上面は舌背Corpus linguae, Zungenkörperと呼ばれ、その反対側は下面Facies mylohyoidea linguaeと称される。舌縁Margo lateralis linguaeは歯列に密接している。
舌は筋肉の働きにより食物を取り込み、それを小さな塊にして食道へ送る役割を果たす。また、言語の形成や発話にも関与している。舌の粘膜は非常に敏感で、味覚の主な感知部位でもある。舌の機能系については、A. Dabelow, Verh. anat. Ges., 1950を参照されたい。