https://funatoya.com/funatoka/Rauber-Kopsch.html
脈管壁の構造は、個々の部分に多様な差異があるものの、全体としてある程度の一致を示している。
すべての脈管、つまりあらゆる太さの動脈、静脈、リンパ管に共通して存在する層がある。それは最内部の「内皮細胞管」(Endothelrohr)である。この層は、その不変性—より適切には常在性—のため、脈管装置の基本的構成要素といえる。ただし、リンパ管系には例外がある。結合組織中に広く存在する隙間、いわゆるリンパ間隙は、内皮細胞の被膜を全部または一部欠いている。
毛細血管系では、内皮細胞管のみで壁を形成するか、あるいは内皮細胞管の外側に接する支持成分とともに壁を構成している。
他のすべての部位でも、当初は同様であった。脈管系は最初、単に内皮細胞管から成り立っていたのである。しかし、徐々に他の層が加わり、通常3層が区別できるようになった(RK605(脳軟膜の小動脈)、RK606(ヒトの固有掌側指動静脈)、607(ヒトの耳下腺リンパ節の小動脈)、RK608(ヒトの下大静脈壁の横断面)、RK609(ヒトの大伏在静脈の横断面) )。
RK606(ヒトの固有掌側指動静脈)、607(ヒトの耳下腺リンパ節の小動脈)
それらは以下の通りである:
各層の厚さと配置は部位によって多少異なり、詳細は各種脈管の項で述べる。特に顕著な特徴を示すのが短絡性血管(Gefäße der Kurzschlüsse)である(η) 脈管系の短絡 Apparatus derivatorius, Kurzschlüsse im Gefäßsystem 参照)。