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目次(IV. 内臓学)

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図273(ネコの卵巣の横断図)、274(原始卵胞)

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図275(女性の骨盤内臓器)

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図276(女性骨盤部の正中断面)

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図277(単層の卵胞上皮を持つ二次卵胞)、278(多層の卵胞上皮を持つ二次卵胞)

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図279(2次卵胞)

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図280(透明帯と放線冠をもつ成熟卵)

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図281(黄体)

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図284(子宮、卵管、卵巣、子宮広間膜、腟上部)

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図285(女性の骨盤内臓器)

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図290(腟、子宮、右卵管)

卵巣は女性の生殖腺で、左右に1つずつある。平たい長円形をしており、子宮卵巣索(Chorda uteroovarica, Eierstockband)という3~4cmの長さの丈夫な索によって子宮の側縁の後上部に結びついている。

卵巣の固定には腹膜も関与している。卵巣には2つの縁があり、まっすぐな付着縁を卵巣間膜縁(Margo mesovaricus)といい、卵巣門(Hilus ovarii)をもつ。反対側の凸縁を自由縁(Margo liber)という。また、2つの面があり、内側面(Facies medialis)と外側面(Facies lateralis)と呼ぶ。さらに、2つの端があり、子宮端(Extremitas uterina)と卵管端(Extremitas tubalis)という。

卵巣の大きさは、長さ2.5~5cm、幅1.5~3cm、厚さ0.6~1.4cmで、重さは5~8gである。(日本人の成人の卵巣の平均重量は左5.82g、右5.71gである(岡暁、京都医誌、38巻、昭和16年下)。)

卵巣の色は白色ないし帯紅白色である。表面は初経前は平滑だが、それ以降はデコボコし、小さなくぼみや瘢痕が見られる。表面は無光沢でやや透明感があるが、卵巣門の周囲には光沢のある腹膜が認められる。

卵巣は腺組織と結合組織、それに血管と神経をもっている。外方の結合組織層は被膜であり、線維が互いに交叉した2~3層の結合組織で構成されている。この被膜の外面は、1層の低円柱上皮細胞(いわゆる胚上皮Keimepithel)で覆われている。被膜の内側には皮質Rindensubstanzがあり、そこに卵巣の腺組織Drüsengewebeが存在する。最内層の門に接する部分には髄質がある(図273(ネコの卵巣の横断図)、274(原始卵胞))。

髄質Marksubstanz(図273(ネコの卵巣の横断図)、274(原始卵胞), 2)は軟らかく海綿状で、疎性結合組織からなる。この結合組織は門から入る多数の血管に貫かれている。

皮質Rindensubstanzは卵巣の最も重要な部分である。この部分には卵巣の本来の成分である腺組織が存在し、腺組織は卵胞Folliculi ovarii, Eifollikelnから構成される。卵胞は上皮性の小さな球状の袋で、各々が1個の卵を含んでいる。

卵胞の大多数は顕微鏡でのみ観察できる程度の小さいもので、卵巣の周辺、すなわち卵胞帯Follikelzoneに存在する。卵胞帯は門を除く卵巣全体に広がっている。比較的大きい卵胞は皮質のやや深層に位置し、最大の卵胞は直径15mm以上に達して卵巣表面を球状に隆起させ、髄質から表面まで及んでいる。新鮮な卵巣では、表面に達した大きな卵胞は透明な円形の領域として観察される。

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[図273]ネコの卵巣の横断図 (Schrönによる) (1/6)

1 卵巣の外被と自由縁;1'門の付着縁;2, 2 血管と結合組織からなる髄質;3 皮質;4 血管;5 皮質の表層部にある若い卵胞;6 深層にはいり始めたやや大きい卵胞;7,8,9 いっそうよく発達した卵胞, そこには卵をもった卵丘がすでにみられる;9'卵のないグラ一フ卵胞;10 黄体.

[図274]原始卵胞 21才の女の卵巣 ×200.(H. Stieve)

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[図275]女性の骨盤内臓器

骨盤の右半分を保持したまま、左側から解剖されている。(9/20)

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[図276]女の骨盤部の正中断 (9/10) (Waldeyerの著“Becken”による).

Ovula, Eier

卵巣の血管とリンパ管 Blut- und Lymphgefäße des Eierstocks

卵巣の神経 Nerven des Ovars